「副業できないのなら退職します」26歳塾講師の訴えに困惑…会社は「副業禁止」を貫くべきか
社労士の見解は…
馬場塾長は後日、顧問の上岡社労士に相談しました。 馬場塾長「ただでさえ人手不足なのに、副業禁止ならば退職すると言うんです。うちの就業規則には副業禁止と明記されていたから、こんなことになるとは思いませんでした。副業されることで、本業にどんな影響が出るか不安です」 上岡社労士「それは不安ですよね。ただ、池田先生がおっしゃる通り、基本的には労働時間以外の時間をどう使うかは労働者の自由です。 副業は注意点もありますが、会社側・労働者側の双方にとってメリットもありますし、上手に運用する方法がわかれば、塾長の不安も軽くなるはずです。よろしければ、そのあたりをご説明いたしましょうか」 馬場塾長「そうですね。私自身、副業についての経験も知識もないから不安なのかもしれません。上岡先生、副業の運用方法について教えていただけますか」 * * * 以上のやり取りからもわかるように、労働時間以外の時間をどう使うかは基本的に労働者の自由です。 もちろん、「労務提供上の支障がある」「業務上の秘密が漏洩する」などの場合は企業による制限はできますが、 副業を禁止にするには相当の理由が必要になるのです。 それでは副業、あるいは兼業を解禁し、企業が運用する際にはどのようなことを注意すればよいのでしょうか。後編記事<かたくなに禁止するのは時代遅れ…労働者にも企業にもメリットがある「副業」「兼業」の注意点>で詳しく解説していきます。
上岡 ひとみ(特定社会保険労務士)