ドイツ新財務相、24年予算凍結はないと表明 3党連立崩壊で
Maria Martinez [ベルリン 12日 ロイター] - ドイツのクキース新財務相は12日、3党連立が崩壊したことに伴う今年の予算凍結はないと表明した。現状では政府は今年をうまく乗り切ることができるとの見通しを示した。 野党のキリスト教民主同盟(CDU)と自由民主党(FDP)は、政府の2024年補正予算案に反対している。 財務相として初めて公の場に姿を見せたクキース氏は南ドイツ新聞主催の経済サミットで「24年に補正予算があるのか、本当に必要なのか、それはまだはっきりしていない」と指摘。インテルの新しい半導体製造工場向けに不要となった補助金は今年の予算不足を補うために使われる可能性があるとも述べた。 来年については、2月23日の総選挙前に予算案が可決されるのは非現実的であるため、暫定予算が組まれることになるとした。 いくつかのプロジェクトが実施されなかったり、延期されたりする可能性があると示唆する一方、「連邦政府は全ての債務を支払うことができ、支払うつもりだ」と語った。 また、すでにかなり審議が進み、コンセンサスが得られている法案については、選挙前の可決を目指すとした。 <コメルツ銀買収計画を批判> クキース氏は、ロシアによるウクライナ侵攻後のエネルギー危機の際に救済したエネルギー会社ユニパーの再民営化計画を堅持すると表明したほか、イタリアの銀行ウニクレディトによる独コメルツ銀行買収計画を批判した。 「コメルツ銀行のようなシステム上重要な銀行を、非友好的な方法で協力もなしに強引に買収することは適切なアプローチではない。敵対的な買収は欧州やドイツの安定した銀行には必要ない」と述べた。