城端朝市、節目の100回 南砺・善徳寺前「とうじん見世」 13店舗出店でにぎわう
南砺市の城端別院善徳寺の門前で開かれている「城端朝市とうじん見世(みせ)」が24日、開催100回目を迎えた。城端地域中心部のにぎわいを目的に2022年4月に始まった朝市で、室町時代から江戸時代に掛けて続いた昼市の名称にあやかった。13店舗が出店し、来場者でにぎわった。 江戸時代は善徳寺門前で4、10、14、20、24、30日の四と十の付く日に月6回の「六斎市(ろくさいいち)」が開かれた。日によって市の名称があり、織物など比較的高価な商品を扱う市は「とうじん(唐人)見世」と呼ばれた。同じように月6回開設する城端朝市は、六斎市の往時のにぎわいを目指している。晴れた日は善徳寺前の商店街の広場、雨の日は山門の下が会場となる。 24日は山門下に13店舗が出店し、イタリア料理店がおにぎり、サンドイッチ、総菜を販売した。パンやコーヒー、抹茶、五箇山の鶏卵や野菜を提供する店も並んだ。地元のレクリエーション・インストラクター上田健二さん(55)が皿回しの体験コーナーを開設し、ウクレレ演奏も披露された。 買い物でスタンプカードに4店舗のハンコを集めると「朝市とうじん見世 城端100th」とプリントされた布製バッグがもらえる。100個製作し、プレゼント企画は30日も行われる。東京都出身で南砺応援市民の畑野光恵さん(41)がスタッフとして手伝い、30日にチェロを演奏する。 買い物に訪れた城端地域出身の後藤葉子さん(61)=東京都渋谷区=は「慣れ親しんだ善徳寺で、地元の人が頑張っているのを見られてうれしい」と話した。 とうじん見世の発起人の一人である清部(せいべ)一夫さん(61)は「雨の日でも必ずお客さんが来てくれて定着した。200回を目指し、城端の活性化につなげたい」と意欲を示した。