【毎日書評】自分が「本当にやりたいこと」はなにか?を見つけだす13個の質問
著者によれば『小さくはじめよう ─自分らしい事業を手づくりできる「マイクロ起業」メソッド』(斉藤 徹著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、自分自身の「幸せの循環」をつくるメソッド。世界に向けて挑戦するとか、市場を独占するというようなことではなく、あくまで“自分”に焦点を当てているわけです。 幸せは、他者に悩みを解決し、心から喜んでもらうことで循環する。そのために必要な技術や知見を磨くこと。そのために懸命な努力を続けること。しかし、あなたの脳は嫌いなことを続けてくれない。だからこそ、好きや強みを起点にして、自分の可能性を追求すること。それが、ゆたかな人生への近道なのだ。(「はじめに」より) お金を儲けるためではなく、自分の可能性を追求し、ワクワクする人生を歩みたい。夢物語ではなく、現実の世界で実現したいという願いを読者に叶えてもらうために、著者は本書を書いたのだそう。自身の起業家としての経験、そして経営理論をもとに、「自分らしい事業」を手づくりするメソッドとして体系化したのだといいます。 かつて起業をするためには、立派な事業計画、お金や人など、多くのものが必要とされました。しかし現代は違います。テクノロジーの進化が、「事業づくり」を劇的に変えたわけです。たくさんのお金を集める必要もなく、多くの時間を使う必要も、苦悩を味わう必要もなし。 そして、いま大切なのは「小さくはじめる」こと。しかもそれは難しいことではなく、誰にでもできることだといいます。「最新の理論」をベースに小さくはじめ、スキマ時間にワクワクする事業を考え、挑戦すればいいというのです。 では、なにから始めればいいのか? Chapter 1「アイデアを生み出す」のなかから、基本的な考え方を抜き出してみましょう。
自分の真の目標「セルフ・コンコーダント・ゴール」を探す
小さく起業するにあたり、まずは「自分の真の目標」を考えることから始めていこうと著者は勧めています。自分が本当にしたいこと=真の目標はなんなのか、考えてみるということ。 この真の目標のことを「セルフ・コンコーダント・ゴール」という。これは、ベストセラーにもなった『ハーバードの人生を変える授業』の著者であり、心理学の博士でもある米国のタル・ベン・シャハーが唱えたもので、自分の真の欲求に基づいた目標を意味する。(42ページより) もちろん、「これだ!」と自信を持っていい切れる目標を見つけることは決して簡単ではないでしょう。しかし、そのことについて考えるプロセスや経験はとても重要な意味を持つわけです。 ちなみにセルフ・コンコーダント・ゴールの探し方について、タル・ベン・シャハー氏はハーバードの授業で次のように説明しているのだといいます。 ① 自分にできそうなあらゆることをリストアップする ② その中から、自分がしたいと思うことをすべて選ぶ ③ その中から、自分が本当にしたいことを選ぶ ④ 本当にしたいことの中から、本当に本当にしたいことを選び出す (43ページより) たしかにこれを参考にして考えてみれば、自分のセルフ・コンコーダント・ゴールを見つけ出すことができそうです。(42ページより)