メルセデスAMG、2025年シーズンのWEC参戦を発表 「IRON LYNX」がLMGT3クラスに「メルセデスAMG GT3」2台投入
メルセデスAMGは11月20日(現地時間)、イタリアのカスタマーチーム「IRON LYNX」が2025年シーズンのWEC(FIA世界耐久選手権)に2台の「メルセデスAMG GT3」で参戦することを明らかにした。メルセデスAMGとしてはWEC初参戦となり、スリーポインテッドスターが26年ぶりにル・マンに復活すると強調している。 IRON LYNXは、フランス西部自動車クラブ(ACO)の長年のパートナーであり、2024年シーズンはLMGT3クラスに出場し、以前のLMGTEクラスにも出場していた。 2025年シーズンからLMGT3クラスに参戦する車両のメルセデスAMG GT3は、FIA WECのLMGT3クラスの特別なホモロゲーション基準を満たす必要があり、これにはトルクセンサー付きドライブシャフトの使用と関連する開発作業が含まれるという。規定のFIA WEC空力性能に準拠していることを確認するには風洞テストも必要で、メルセデスAMGのモータースポーツ部門は、すでに必要なプロセスを開始しており、新シーズンの開始までに完了する予定としている。 ■ メルセデスAMG GT3のFIA/ACOホモロゲーション取得により、多くのチームがル・マンのグリッドに参加可能に メルセデスAMG GT3のFIA/ACOホモロゲーションは、ほかのすべてのメルセデスAMGカスタマーレーシングチームにも新しいスポーツの機会をもたらすとし、ACO傘下の選手権で好成績を収め、それに応じた結果を出すことで、チームは伝説的なル・マン24時間レースのスターティンググリッドに立つチャンスを得られるとしている。 また、ACOはSROモータースポーツグループやIMSAと協力しており、それぞれのプラットフォームでル・マン24時間レースへの出場資格を得ることも可能となる。 メルセデスAMGモータースポーツ責任者、Christoph Sagemüller氏は「私たちが長い間、スリーポインテッドスターをル・マンに戻すことに熱心だったことは周知の事実です。2025年シーズンのFIA WEC参戦は絶好のタイミングです。26年ぶりにサルトに戻るのです! 成功を収めているメルセデスAMG GT3と経験豊富なIRON LYNXチームは最適な組み合わせであり、カスタマーレーシングのサクセスストーリーに新たなマイルストーンを打ち立てました」とコメント。 メルセデスAMGカスタマーレーシング責任者、Stefan Wendl氏は「集中的な議論をしてくれたACO、FIA、IRON LYNXに感謝します。FIA WEC参戦はメルセデスAMGカスタマーレーシング全体にとって非常に前向きなニュースです。LMGT3クラスへのメルセデスAMG GT3のホモロゲーション取得により、他のすべてのカスタマーチームもル・マンの耐久クラシックのグリッドに並ぶチャンスを獲得できることになります」とコメントしている。
Car Watch,編集部:椿山和雄