「深刻な事態」 知床のヒグマ、利用者起因の危険事例が最多70件
知床世界自然遺産地域科学委員会のヒグマワーキンググループ(WG)の会合が19日、北海道釧路市で開かれた。知床国立公園の利用者の問題行動に起因する危険事例が2024年度に70件発生したことが報告された。 【写真】遡上(そじょう)したカラフトマスを追うヒグマ=2009年9月12日、北海道の知床半島先端付近、神村正史撮影 統計を取り始めた17年度以降の最多は21年度の49件で、これを上回った。 22年4月、改正自然公園法が施行され、知床国立公園で、ヒグマにエサを与えたり、著しく接近したりする行為は違法となり、最大30万円の罰金が科せられることになった。 しかし、この改正法の実効性が疑問視される危険事例の件数に、WGの委員からは「かなり深刻な事態だ」などとの声が上がった。
朝日新聞社