ヤクルト1位指名・中村優斗さん 諫早農高出身、測量士補の資格も
ドラ1は農高出身--。長崎県立諫早農業高校出身で愛知工業大学4年の中村優斗選手(21)が24日、東京都内で開かれたプロ野球のドラフト(新人選手選択)会議で、東京ヤクルトスワローズから1位指名を受けた。今後球団と正式契約を結ぶと、諫早農業高校から初のプロ野球選手誕生となる。 【画像】ヘルメット姿で農業土木の実習を受ける中村選手 中村選手は最速160キロの直球と多彩な変化球を操り、3月に大学生ながら侍ジャパンに選出された逸材。諫早農業高校では農業土木科に所属し、測量士補の資格を取得するなど農地保全に関する学びを深めた。その傍ら1年時から野球部のエースとして活躍した。 この日、同校で運命の瞬間を待っていたのは、中村選手の3年時の担任で同科の西村健幸教諭(43)。思い出すのは、保護者を交えた三者面談だ。その場で中村選手は「プロ野球選手になりたい」と宣言した。 同科は公務員を目指す生徒がほとんど。思いもよらぬ宣言に、西村教諭は「絶句した。農業高校の教諭を20年以上やっているが、『プロになりたい』と言ったのは中村ただ一人」と振り返る。指名を受けて「夢のような話が現実になった。郷土の誇りだ」と感慨深げだった。 同校野球部の前監督、宮原寛爾さん(66)は「私にとって中村は宝物だ。全国の農高生に勇気や希望を与えられる選手になってほしい」と期待を寄せた。
日本農業新聞