東日本大震災から5年 南相馬市長が17日に会見(スピーチ)
南相馬をはじめ、原発被災地がまだ復興していないのは事実
皆さんもご存じかと思いますけれども、南相馬市は旧相馬中村藩の伝統行事である、相馬野馬追を1000年にわたって続けてきた地域でもございます。震災直後に多くの外国人の記者に来ていただきましたけれども、その際に私がひるまないのはなぜなんだということも質問を受けました。私は、侍文化をずっと担ってきた本人でもあるので、こういう震災でへこたれるわけにはいかないんだということを申し上げて、これこそがジャパニーズ・サムライ・スピリットだということを申し上げてきました。 全国の自治体の皆さん、そして国民の皆さんをはじめとして、全世界中の皆さんから震災後、支援をいただきました。この場をお借りして世界中の皆さんに御礼を申し上げたいと思いますし、南相馬市としてはこれからも新たな挑戦をしながらまちづくりを進めていかなければならないと考えています。従って、震災直後の物資が入らない状況で世界にサポートをお願いしたのだけではなくて、今後は新しいまちづくりに対して、新しい考え方の導入に対して世界中のサポートもいただければというふうに考えてございます。 震災後、野田総理大臣、安倍総理大臣が福島の復興なくして日本の再生なしという言葉を何度となく口にしていますけれども、南相馬をはじめとした原発被災地がまだ復興していないのは事実です。しかしながら昨年、薩摩川内原発をはじめとして原発が再稼働されたことに対して現地の被災地の住民としては怒りを持っていることも事実です。 先日、元の総理大臣小泉純一郎さんと共に脱原発に向けた講演会を福島県のいわき市で開催しましたけれども、多くの皆さんに賛同を得たというふうに考えてございます。いま、あの被災、原発事故から南相馬市を含めて新たなまちづくりをしていかなければなりませんので、その際にはこの国全体も考え方を変えて、ドイツのように原発に頼らない国にしていくんだという宣言をしてほしいなと、被災地からは考えています。 被災に際して多くの国々からサポートいただきましたことに、あらためて感謝を申し上げます。先日、年内に台湾に行かせていただいて、その後台湾で地震によって被災したことに対して今日、午前中に台湾にも代表部にお見舞いをしてきましたけれども、世界中がいろんな苦しみの中にあって、住民、世界の人々が望むのは安全な社会、安全な地域であることを望んでいると思います。南相馬市も被災したことを真摯に受け止めながら、市民の安全な社会生活ができるようなまちづくりを今後とも進めることを皆さんにお誓い申し上げながら、皆さんとともにディスカッションができればと思いますので、ぜひご協力いただきたいと思います。 ありがとうございました。 司会:Thank you very much.