バレー石川祐希、王者への加入決めた覚悟の背景。日本のSVリーグ、欧州王者への思い「身長が低くても世界一になれると証明したい」
ハイレベルな競争、優勝しか望まれない環境への挑戦
2024-25シーズンのペルージャのアウトサイドは、レオンが抜けるが、今季の優勝に貢献したセメニウクとウクライナ代表のオレイ・プロトニスキは残留。ハイレベルなポジション争いが予想されるが、石川には自信が漂っていた。 「そういう選手たちとスタメンを争って勝ち取るところから始まるので、そこも一つ楽しみです。ペルージャなどトップチームには、身長やパワーがある選手が多かったと思うんですけど、僕はそういうタイプではないので、ディフェンスだったり、テクニックを生かして点数を取っていきたい。トップチームの中では身長(192cm)は一番低いほうだと思うので、そういう選手でも世界で通用する、世界一になれるということを証明する大きなチャンス。そこを証明するためにプレーしていきたい。 今回抜けたレオン選手は、非常にパワーや高さ、サーブといった武器がある選手で、その代わりをするのは正直難しいかもしれませんが、彼より多く点を取ることは可能ですし、そういう部分でチームにいい影響を与えたい。また、僕が日本代表のキャプテンを務めていて、リーダーシップという部分でも評価されていると思っているので、イタリア代表キャプテンのジャネッリ選手たちと鼓舞し合いながら、いい影響を与えられるよう頑張っていきたいと思います」 記者会見を通して、優勝しか望まれないトップチームの一員となる責任感と覚悟がうかがえた。その環境の中でシーズンを戦い抜くことが、また石川を強くするに違いない。 石川は“世界一のプレーヤー”の条件を、こう語る。 「あくまでチームスポーツなので、チームが優勝することが絶対条件。その中でMVPを獲るということが、一つ“世界一”になったと言える条件かなと思います」 壮大な夢の実現が、石川の手の届くところに、確かにある。 <了>
文=米虫紀子