主演の橋本環奈さんは何も悪くない…NHK朝ドラ「おむすび」が絶不調なのは、すべて「虎に翼」のせいである
■「自分らしさを大切にする」は視聴者に伝わるか 朝ドラ視聴率が普通に20%を超えていた11年前の話ではある。が、そこから読み取れるのは、朝ドラ視聴者は「いつもの朝ドラ」を求めているのかも、ということだ。 「おむすび」のギャルが「いつもの朝ドラ」か、という疑問はある。だけど安室(奈美恵)ちゃん世代が40歳をたっぷり超え、50歳間近になっている。 「おむすび」制作陣は彼女らが朝ドラ視聴世代になりつつあると読んでいるのか、はたまた彼女らを新規開拓しようとしているのか。 「おむすび」の公式サイトを見ると、「どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、主人公・米田結が、激動の平成・令和を思いきり楽しく、時に悩みながらもパワフルに突き進みます!」とある。 ギャル=自分らしさを大切にする人、という規定が、どこまで視聴者に伝わるだろう。“朝ドラ好き魂”を総動員し、もう少し見ることにしよう。 ---------- 矢部 万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト 1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長。著書に『笑顔の雅子さま 生きづらさを超えて』『美智子さまという奇跡』『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』がある。 ----------
コラムニスト 矢部 万紀子