「領空侵犯を阻止せよ」防衛最前線のF―2戦闘機パイロット 訓練に密着 福岡・航空自衛隊築城基地
■「強制しうる意思」示すのが大事 約1時間の訓練を終えた荻田さんは、一連の手順を振り返りながら井上さんから助言を受けます。 井上道1等空尉 「領空侵犯機というのは、基本的に犯罪者とニアリーイコールだから。日本国の領空に入ったら、こちらの誘導に従わせるのはやっていいこと。強制することができる。強制する時に強制しうる意思を示しているのかがすごく大事になるから、そこはちゃんとやりなさい」 荻田祥3等空尉 「国籍不明機に対して、『自分がどうしたいのか』『どういう行動を取ってほしいのか』という意思表示や、声色を変えて強調するところが足りなかったな、と。自分で一つできたと思ったら、また新たな課題が出てきたり、というのをずっと繰り返すことになるので、毎回やった後にデブリーフィングでしっかり自分の反省点を出してまた次にステップアップできるように、一つ一つ」 厳しい訓練を終えた後の食事会は、仲間とのほっとするひととき。荻田さんの表情も和らぎます。 荻田祥3等空尉 「みんなで飲んでわいわいするのも好きなので、ストレス解消になっている。真面目な話は置いておいて、ちょっとバカ話をするみたいな、そういうのも息抜きになる」 Q.荻田さんの印象は? 福島将吾1等空尉「飲んでるキャラ、お酒のキャラ」 川原信亮3等空尉「盛り上げ役ですよね」 後藤弥明1等空尉「盛り上げも、いじられることもできるオールラウンダー、マルチロールファイター、将来が楽しみ」 ■緊張迫られる基地 東京と上海から等距離 領空侵犯の恐れがある際は、築城基地からもたびたびスクランブル(緊急発進)をします。防衛省によりますと2023年度、航空自衛隊の戦闘機がスクランブル発進した回数は669回と、2019年度以降の5年間で最少でした。 しかし、2024年8月に長崎県沖で中国軍機による領空侵犯が初めて確認され、西日本の空を守る築城基地は緊張を強いられています。 濱島雄一郎2等空佐 「築城基地は場所的に、東京と上海がほぼ同じ距離にある。中国から不明機が飛んで来た場合は真っ先に対応しなければいけない位置にある基地なので、最前線で対応する意味合いが強い。一人一人が『自分がやるものだ』と非常に高い意識を持って、対領空侵犯措置任務に就いている」
築城基地という防衛の最前線で戦闘機に乗り始めて1年。荻田さんは海外の情勢を注視しつつ、どのような任務にも対応できるよう備えています。 荻田祥3等空尉 「世界の状況は日々変化しているのは感じている。しかし我々は淡々と日々の訓練をやって、常に精強であるということをもって日本を守っていくことが重要だと。将来的には部下を連れて行くシチュエーションになると思うので、しっかりミッションを達成できるようになりたい」
RKB毎日放送
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