【チャンピオンズC予想】実は能力面でも引けを取らない人気薄の狙い馬
GI/JpnI・5勝と他馬と寄せ付けない成績のレモンポップ(牡6、美浦・田中博康厩舎)、前走のJBCクラシックでJpnIを初制覇したウィルソンテソーロ(牡5、美浦・小手川準厩舎)、フェブラリーSの覇者ペプチドナイル(牡6、栗東・武英智厩舎)らが参戦する第25回チャンピオンズカップ(3歳上・GI・中京ダ1800m)。 【写真】レモンポップこれまでの軌跡 このダート界最高峰の一戦を新進気鋭の“回顧派”予想家「Orfe」氏はどう見るか。前哨戦の分析を中心に展望する。 (文=Orfe) ◆前哨戦分析 チャンピオンズCの主要な前哨戦3レースについて、私の提唱しているレースバイアス(展開・馬場などレース結果に影響を与えたであろうバイアスの総称で最も影響が大きい4角での位置取りを基に独自の基準で判定。以下RBと表記)に基づいて検証したい。 ・南部杯(JpnI):『外有利』(暫定)/逆バイアス好走馬=レモンポップ・ペプチドナイル・ミックファイア 最内枠から延長ローテとスピードの絶対値の違いもあり、すんなりレモンポップが逃げて押し切ったレース。外から終始ペプチドナイルに被されながらも王者の貫禄を見せつけたレースで抜群の仕上がりでもない中で勝ち切るあたりマイルなら敗れる気配は一切ないように見える。 1・2着馬は能力的にも抜けており、この2頭を除けば後続は外の方がスムーズに運べたことから『外有利』と暫定的に判断する。 ・みやこS(GIII):『外有利』(暫定)/逆バイアス好走馬=該当なし ミトノオーが逃げてペースを作るもアウトレンジが早々に仕掛けて、ゴール直前でサンライズジパングがこれを交わして勝利したレース。 内は勝負所でミトノオーが後退したことによる不利を受けた馬もおり、外目を追走していた馬の方がスムーズに直線を迎えていることから『外有利』。バイアス差に屈したアウトレンジが次走浦和記念(JpnII)を圧勝している点からも内の方が負荷の高かったレースと判断する。 ・JBCクラシック(JpnI):『外有利』(暫定)/逆バイアス好走馬=ウィルソンテソーロ 勝ち馬ウィルソンテソーロは昨年のチャンピオンズCでの2着以降、国内中距離ダート戦線では東京大賞典・帝王賞と連続連対し、JBCクラシックでは圧勝とこの条件ならトップクラスであることに異論はない。 スタート直後躓くアクシデントがありながら、内にうまく誘導し2周目の1コーナーでは馬群の内を割りポジションを上げ、3コーナーから先頭に立ち押し切ったレースはまさに圧巻で鞍上の好騎乗も光った。 4角の位置取りを見れば2・3・4着馬が『外』となるので『外有利』と暫定的に判断する。 ◆狙い馬、過大評価禁物の馬 これらを踏まえてチャンピオンズCでまず狙いたい馬はウィルソンテソーロ。 前述の通り前走のJBCクラシックはまさに圧巻の内容で昨年は出遅れて後方から追い込む競馬が嵌った感もあるが、実力上位であることは間違いなく今年は鞍上がどういうレース運びを選択するか。 次にペプチドナイルを挙げておく。 初GI制覇となったフェブラリーSは『後有利』なRBを4番手から押し切った。レモンポップを筆頭にサウジ勢が不在だったことも追い風になったものの逆バイアスでの勝利は高く評価したい。 その後かしわ記念3着、南部杯2着と勝ち切れていないがどちらもスピード勝負で負けた印象で距離がやや短く忙しかった印象。中距離ダート重賞は東海S(GII)で6着に敗れているが重馬場でノーカウント。 今週は恐らく雨の心配はないので距離延長でレモンポップ相手にどこまでパフォーマンスを上げるかに注目したい。 さらにもう1頭クラウンプライドを挙げる。 一昨年のチャンピオンズCの2着馬で昨年は11着に敗れたがプラス15kgとキャリア最高馬体重での出走で状態面が今一つだったことに加え、『内有利』なRBを外先行と敗因は明確。 3走前のかしわ記念は致命的な不利があり、その後マーキュリーC(JpnIII)を勝利し韓国ではコリアCを連覇。ここではウィルソンテソーロに圧勝しており、スムーズなレースができれば能力面でも引けを取らない。 GIでの惨敗が響いて人気にならないだろうから相手には入れておきたい1頭。 また過大評価禁物な馬としてはサンライズジパングを挙げておく。 ラムジェットの回避により今回唯一の3歳馬の出走となる。斤量の恩恵があり3歳馬の成績も悪くないレースではあるが、前走のみやこSはGIII級のメンバー相手にRBに恵まれての勝利というのが現状の評価。 今回他馬比較で恐らく前目のポジションは取れないだろうし、前走のような外捲りもこのコースでは余程の力がないと厳しく、ここで上位に来るには強調材料に欠ける。