『ウイングマン』『ドラゴンボール』『キン肉マン』…令和6年の今、なぜ80年代漫画のドラマ・アニメ化ラッシュなのか
親子視聴OKの「古くて新しい」作品
『ウイングマン』と『ドラゴンボール』がそうであるように漫画連載から「40周年」という節目であることはポイントの1つでしょう。出版社にとってはこれらの作品は貴重な財産であり、「リブランディングしてもう一度稼ぐ」という点では最高のタイミングとなります。 さらに出版社、テレビ局、アニメ製作会社、動画配信サービスなどが連携したビッグプロジェクトが仕掛けやすく、スケール感を醸し出すことで往年のファンに加えて新規ファン獲得の可能性がアップ。テレビ局にとっては親子での視聴が見込める希少なコンテンツであり、動画配信サービスとしても集客面で魅力的なコンテンツになります。 ドラマでもアニメでも「CGなどの技術進化」「旬の俳優を起用」という映像面でアップデートできることもフィーチャーされやすい理由の1つ。たとえば『キン肉マン』の格闘シーンは臨場感が過去のアニメから飛躍的に増していますし、『ウイングマン』も特撮アクションの最先端で演出することで視聴者を喜ばせています。 つまり1980年代の漫画を令和にアップデートすると、「親子ともに見応えのある“古くて新しいコンテンツ”になる」ということでしょう。 次にビジネス面で注目すべきは、『ウイングマン』『ドラゴンボール』『キン肉マン』『シティーハンター』『うる星やつら』は「配信重視」のコンテンツであること。 Netflix企画製作の映画『シティーハンター』はもちろんのこと、フジテレビ系のアニメ『ドラゴンボールDAIMA』もアメリカの動画配信サービス・CrunchyrollやNetflix、TBS系のアニメ『キン肉マン 完璧超人始祖編』もNetflixなどを通じて世界各国で見られています。すでに「漫画・アニメ絡みのコンテンツは世界のマーケットを狙う」ことが標準戦略であり、ビッグネームがそろう1980年代の作品をピックアップするのは当然でしょう。 また、もちろん国内でもTVerなどで配信されているほか、テレビ東京系のドラマ『ウイングマン』もDMM TVで同時配信されるなど、「深夜帯の放送+配信で稼ぐ」というビジネススキームが採用されています。