【大学野球】32年ぶり1年生首位打者に輝いた法大・熊谷陸 好調をキープできた2つの要因
低く強い打球を打つ意識
好調をキープできた要因は2つある。 まずは、練習量だ。 「夏の期間にたくさんバットを振り、低く強い打球を打つことを意識しました。その結果が、今回の首位打者につながった」 次に、合宿所で同部屋である先輩・松下歩叶(3年・桐蔭学園高)の存在だ。松下は今夏、大学日本代表でプレーし、今秋は打率.352、5本塁打、13打点と大活躍。大学球界屈指の右スラッガーの助言には、説得力がある。 「試合中、守備ではポジショニングなどについて教えてくれたり(松下は三塁手、熊谷は二塁手)、打撃では『打とう、打とう』となっている時に、的確なアドバイスをしていただけました。頼もしい先輩です」 今秋、法大は6勝6敗2分け、勝ち点3の3位。2020年春を最後に優勝から遠ざかっており、熊谷は今後の抱負を語る。 「今回のタイトルで、自信になりました。来年、再来年に向けてこの冬、体づくりに努め、今後もチームに貢献したい。最後、4年生と優勝ができず、悔しかった。来年こそは必ずリーグ制覇して、日本一になります」 175センチ68キロ。まだ体の線は細いが、小力がある。大島監督から「逆方向に打て」との指示を忠実に守り、左打席で右肩を開かず、コンパクトなスイングで安打を量産した。名門・花巻東高で磨かれた自身のスタイルが確立されており、来春以降も飛躍が望めそうだ。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール