麒麟・田村さんの子育て<難しすぎる「叱り方」>「わかっていても出来ひんねん!」
※画像はイメージです 現在、二女一男の父でもある、お笑いコンビ・麒麟の田村裕さんによる、ポジティブでストレスが溜まらない「子育て」「夫婦仲」「人間関係」の正解。 壮絶だった生い立ち、『ホームレス中学生』の大ベストセラー、いつの間にか逆転していた相方との格差…様々な経験があったからこそ得られていった人生観。 田村さんが提案する、夫婦生活を続け、育児を楽しみ、毎日を笑って生きていく秘訣とは? 麒麟・田村さんのポジティブな子育て「愛する我が子達は僕が居なくても逞しく育ってくれる」 ※本記事は田村裕著の書籍『ホームレスパパ、格差を乗り越える 何も変わらなかったから考え方を変えた』から一部抜粋・編集しました。 ■難し過ぎる「叱り方」 これは田村家だけのことではないと思います。 きっとほぼ全ての同年代の育児で起こっていることだと思うのですが……。 昨今、ありとあらゆる情報がSNSで飛び交い、子供の怒り方、叱り方の注意点などをまとめたものもよく見かけます。 二つ言いたい。 まず一つは「わかっていても出来ひんねん!」です。 叱る時はこっちも感情が乗っています。我が子のこととなると本気だし、親もいっぱいいっぱいだし、向き合い過ぎてしまう。 感情をコントロールして、怒ったり叱ったりする時も言葉選びに気を付けながら完璧にやるなんて不可能に近い!こっちも人間やっちゅうねん!ってなります。 一方、もう一つの言いたいことが……覚悟して聞いてください。 それは親の叱り方や言葉選びが、我が子にそのまま反映されてしまいますよ、ということ。 子供が、親や兄弟姉妹へ怒る時の、テンション、言葉のチョイスは、ほぼ全て親がやっているまんまです。うちの長女、次女が末っ子の長男を怒る時の言い方は、聞いていられない時があります。「それやったらもうさせへんで」とか「〇〇君だけ連れて行かんとこ」とか。もう散々自分達がやってしまっていた叱り方を、我が子が我が子に使っている。胸が締め付けられる思いです。 言葉選び、話の持っていき方をもっと工夫しておけば良かったなぁ……と反省しきりです。子供のやりたいことを聞いて、それを叶えるためには何が必要かを話し合えば良かったです。連れて行かんとこ、ではなく、一緒に行きたいからこれも頑張ろうって、何で言えなかったんだとつい考えてしまいます。 つい、感情が乗ってしまって、人間剝き出しで怒る時もあるでしょう! それはそれで良いんです! せめて心に余裕のある時、せめて人に見られている時、せめてワンオペじゃなくて二人に分散させられている時だけでも、同じ叱り方ではなく、工夫した向き合い方をしておきたかった。そうしていたら、子供達の中にも根付いたかもしれない。それが悔やまれます。 完璧にこなせる人を心の底から尊敬します。僕達夫婦にはそれは難しかった。世の中にはそんな親御さんがたくさんいるはずです。本当に難しいんです。感情が乗ってしまうんです。本気だからこそ、いつも子供のために頑張っているからこそ感情が乗るんです。子育てのプロじゃないし、仕事しなあかんし、やることが次から次に出て来て大変なんです。 でもそんな自分達も許しましょう! 親ってそんなもんやった気がします。 「子育て」ではなく「親子育ち」。 ともに育ちましょう。 せめて余裕がある時だけでも気を付けておきたかった! 特に一人目の時からやっておけば! 気付くのが遅かったっす(涙)。 【著者プロフィール】 田村 裕(たむら ひろし) 1979年9月3日生まれ、 大阪府吹田市出身。NSC大阪校20期生。99年に川島明とお笑いコンビ・麒麟を結成。2001年には第1回M-1グランプリで無名ながら第5位の成績を収める。07年に自伝的小説『ホームレス中学生』を発売しミリオンセラーに。ドラマ化、映画化もされ社会現象となった。バラエティ番組などに出演するほか、バスケ芸人としても活躍中。11年に結婚し、3児の父となる。 著=田村裕/『ホームレスパパ、格差を乗り越える 何も変わらなかったから考え方を変えた』