USJ副社長「統一された世界観のテーマパーク、息苦しい」。常識覆す“日本流”で世界から集客
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が躍進している。入園者数は2022年23年と2年連続で世界3位(米テーマエンターテインメント協会調べ)。これはユニバーサル・スタジオの“本家”であるアメリカや、東京ディズニーランドを上回る。 【全画像をみる】USJ副社長「統一された世界観のテーマパーク、息苦しい」。常識覆す“日本流”で世界から集客 USJの来園者のうち3~4割は海外からの旅行者だ。 日本発の漫画やアニメIPとコラボしたアトラクションやショーを増やす独自の経営は躍進の鍵の1つだが、その多様なIPポートフォリオは時に「ごった煮」と評されることも。 「テーマパークが1つの世界観で統一されているほうが息苦しい」と言うユー・エス・ジェイの村山卓副社長に話を聞くと、日本流の経営で世界に勝つUSJの強さが見えてきた。
入園者数で世界3位、ぶっちゃけどうですか?
米テーマエンターテインメント協会のテーマパーク入園者数ランキングによると、USJの2023年の入園者数は約1600万人。前年からの伸びが、1位のマジックキングダム(米フロリダ州/ウォルト・ディズニー)、2位のディズニーランド(米カリフォルニア州)がそれぞれ3.4%、2.2%にとどまるのに対し、USJは29.6%を記録しているのも特徴的だろう。 こうした結果に対し、ユー・エス・ジェイの村山卓副社長は「1位でないのは残念」と冗談交じりに笑いながらも、冷静だ。 「今は入園者数が多ければいいという時代ではありません。『来園頻度』や『顧客満足度』も一緒に上げていかなければ、ビジネスとして成功しているとは言えません」(村山氏) 入園者数といえば、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、1日あたりの入園者数の上限を(コロナ禍前より)下げることで、ゲストの体験価値の向上を目指すと公表している。 USJでも来園者数と顧客満足度について独自の指標を持っており、これ以上客が増えると満足度が下がることが予想される場合などは、数日前から同社のSNSなどで告知して入場制限を実施してきた。直近ではハロウィーンシーズンの10月30日31日の入場券が販売枚数に達したため、販売を終了したと同月25日に報告している。