米銀幹部、暗号資産に慎重姿勢 トランプ氏の規制緩和方針に注目
[ニューヨーク 11日 ロイター] - ニューヨークで今週開かれた「ロイターネクスト」会議では、出席した米国の銀行幹部らが暗号資産(仮想通貨)の事業に対して慎重な姿勢を示した。トランプ次期米大統領は暗号資産に対する規制を緩和する方針を打ち出しており、銀行がデジタル資産事業を拡大する環境が整うと予想されているが、銀行が拙速に暗号資産事業の強化に踏み切ることはなさそうだ。 ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は「規制の骨格は変わる必要があり、今後どのような展開になるかを誰もが推測しているが、依然として先行きは不透明だ」と指摘。仮に規則が変更されれば、同社はビットコインやイーサリアムといった主要暗号資産の取引について「検証する」と述べた。 だがソロモン氏は「当面、これらの市場で活動する当社の能力は極めて限られている」と語り、暗号資産は投機的な資産だと付け加えた。 バンク・オブ・ニューヨーク(BNY)のロビン・ビンスCEOは、同社は最近、上場投資信託(ETF)に組み込まれた暗号資産のカストディ業務を開始した上、幅広いデジタル資産サービスに投資したと明らかにした。だが適切な「ガードレール」を伴った新たな措置や、いくつかのマクロ経済サイクルを通じた検証が必要だと指摘。「暗号資産がどのように展開していくかを見極めなければならない」と述べた。 バンク・オブ・アメリカの幹部マット・ジェリーン氏は、同社は一部の顧客にETFを通じて暗号資産を保有する機会を提供しているが、「圧倒的に大きな関心が示されているわけではない」と話した。 USバンクのシニアバイスプレジデント、アキタ・ソマニ氏は、裕福な若い顧客が暗号資産を含む金融商品に関心を示す公算は大きいが、「本格的な需要」は見られないと語った。