【カンボジア】25年の最低賃金、208米ドルに決定
カンボジアで19日、同国を代表する産業である縫製・履物・旅行用品業界で働く労働者向けの2025年の最低賃金が決まった。208米ドル(約2万9,900円)で、前年から4米ドル上昇する。現地各紙の電子版が20日までに伝えた。 政府と労使の3者で構成する国家最低賃金委員会(NCMW)が19日に最終会合を開催し、金額を決定した。NCMWには、政府、労働者、雇用者からそれぞれ17人、合わせて51人の代表が参加。ヘン・スアー労働・職業訓練相が議長を務めた。 最終会合で、雇用主側はこれまでと同様に2米ドルの引き上げを提案し、政府はこれを支持した。一方、労働者側は4米ドルと10米ドルの2つの引き上げ案を提示した。 話し合いで合意に達しなかったため、最低賃金法に基づき、投票を実施。51人のうち46人の賛成によって2米ドルの引き上げが決定した。この後、フン・マネット首相が2米ドルの追加を指示し、最終的に前年と同じ4米ドルの引き上げとなった。 ヘン・サワー労働・職業訓練大臣は会合後の記者会見で、合意された4米ドルは、雇用者が生産性を維持できるとともに、労働者が仕事を継続できる金額だと評価する考えを示した。 労働・職業訓練省のカタ・オーン次官(報道官)によると、縫製・履物・旅行用品はカンボジア最大の輸出品目。国内に1,300カ所の工場・支社があり、約84万人を雇用している。労働者の大半が女性。 縫製・履物・旅行用品業界の最低賃金は、97年は40米ドルだった。徐々に引き上げられ、18年は170米ドル、19年は182米ドル、20年は190米ドル、21年は192米ドル、22年は194米ドル、23年は200米ドルだった。