救急隊のマイナ保険証活用 実証開始2週間で利用率23% マイナンバーカードの携行と保険証の利用登録を呼びかけ 三重・鈴鹿市
総務省消防庁は、救急搬送時に傷病者の状況を早く正確に把握するために、救急隊がマイナ保険証を活用する実証事業を進めています。 5月23日から全国67消防本部で順次開始していて、愛知・岐阜・三重の東海3県でも9つの消防本部で実施が決定。中でも、三重県の鈴鹿市消防本部では、東海3県で最も早い6月11日から開始されました。 この取り組みは、救急隊が傷病者本人から口頭で同意を得た後、健康保険証の利用登録がされているマイナンバーカードを専用端末で読み取ると、受診歴や投薬歴などの情報を閲覧できるもの。搬送先の医療機関を選定するのに役立つだけでなく、搬送後の医療機関での処置がスムーズに行えるなど、救急活動の迅速化・円滑化が期待されています。 鈴鹿市消防本部では、市内で活動する9隊すべての救急車に、マイナンバーカードを読み取るための専用端末を導入。開始から約2週間が経過した6月24日の午後7時時点では、378件の搬送数があった中で、マイナンバーカードを所持していたのは156人。そのうち健康保険証の利用登録がされていて、実際に情報を閲覧できたのは87人で、救急隊によるマイナンバーカードの利用率は23%だったということです。
厚生労働省の発表によると、医療機関や薬局でのマイナ保険証の利用率は2024年3月時点で5.47%となっていることから、鈴鹿市消防本部の担当者は、実証開始直後としては高い利用率だったとの見解を示しています。また、国の方針でマイナ保険証への移行が進んでいることを受け、今後は救急搬送時のマイナンバーカード利用率もさらに増えていくのではないかと期待を覗かせました。 一方で、現在までに救急搬送された傷病者の大半が軽傷で、意識状態が悪い場合のマイナンバーカード活用については、まだ効果や課題が見えていないため、引き続き注視していく必要があるとしています。 東海3県におけるマイナ保険証の実証事業は、愛知県では豊橋市消防本部・大府市消防本部・尾張旭市消防本部は8月9日~、名古屋市消防局は9月6日~、岐阜では岐阜市消防本部は7月12日~、三重県では四日市市消防本部は7月26日~、津市消防本部は8月9日~と順次拡大し、9月までに全国で実証事業が開始されます。 鈴鹿市消防本部は「迅速かつ円滑に救急業務を行えるよう、マイナンバーカードの携行と、健康保険証の利用登録をお願いしたい」と広く呼びかけています。