50代「つまづく」「ひざが痛い」はケガの原因に!
50代の「身体が硬い」は、痛みや思わぬ怪我などの原因に! そもそも「身体が硬い」とはどういう状態で、どんなトラブルを招くのか? 整形外科医の中村格子先生に解説していただいた。 更年期・加齢による「50代健康のお悩み」
足首が硬いと…
何もないところでつまずき、転びやすく! 足首が硬いと転んだり、つまずいたりしやすくなる。さらに足首の硬さを膝や股関節を使ってカバーするため、膝や股関節に痛みが生じ、歩行能力が低下しやすい。
膝関節が硬いと…
階段の上り下りがつらい、怖い! 膝関節が硬くなると、膝に痛みが出て階段の上り下りがつらくなる。出歩かなくなるため筋力が落ちやすく、将来的には歩行が困難になり要介護リスクがアップ。
股関節が硬いと…
大股で歩けず、姿勢も悪くなり、腰痛も悪化! 股関節は立ち上がる、歩く、しゃがむといった動作にかかわる関節。硬くなると歩幅が狭くなって歩行速度が落ちやすくなるほか、姿勢が前かがみになり、腰痛の原因にも。
関節の可動域が狭くなり、怪我や痛みの原因に!
最初に“身体が硬い”というのは、どういう状態をさすのかをうかがった。 「身体が硬いというのは、なによりも、関節の可動域が狭いことです。それに加え、関節を包む関節包、関節を取り囲む筋肉、皮膚などの伸縮性も重要で、これらの要素が合わさると、身体の柔軟性は失われ、〝身体が硬い”状態となります」 では身体が年々硬くなる原因は? 「30代ごろから加齢とともに身体の柔軟性を保つコラーゲンが硬くなってくることが原因のひとつ。さらに更年期になると女性ホルモンの減少によって身体の水分量が減り、それも硬さに拍車をかけます。それに加えて運動不足だと関節の可動域が狭まり、いよいよガチガチに。特に硬くなりやすいのは、肩甲骨、肩関節、胸郭、股関節、膝関節、足首の6つ。これらが硬いと、日常動作に制限が生じ、予期せぬ怪我や痛みも招いてしまうことになります」 ◇教えてくれたのは… 整形外科医・スポーツドクター 中村格子先生 Dr.KAKUKOスポーツクリニック院長。医学博士。トップアスリートから一般の人まで幅広く診療にあたる。メディアでのエクササイズ指導でも人気。近著は『硬い体をほぐす かんたんストレッチ』(成美堂出版)。 取材・原文/和田美穂 イラスト/二階堂ちはる ※エクラ2024年9月号掲載