沖高生が自動運転車デザイン 東京の展示会でお披露目 島の自然文化との調和がコンセプト
鹿児島県立沖永良部高校の生徒たちがデザインした特別な自動運転車両が4日から、東京都江東区の東京ビッグサイトで開幕した環境技術・サービスの展示会「エコプロ2024」で披露されている。車両の外装デザインに木材を配置するなど島の自然環境・文化と調和した移動交通の未来をアピールしている。展示会は6日まで。 名古屋大学を代表機関とした「名古屋大学COI-NEXT地域をつなぐマイモビリティ共創拠点」(国立研究開発法人科学技術振興機構の採択事業)は1月から、沖永良部島での脱炭素型の地域モビリティシステム(移動手段)の構築を目指した取り組みを開始。3月には、同大学が開発した自動運運転走行ソフトウエア「ADENU」を搭載した車両の走行実験を県内で初めて実施した。 来年3月には、知名町の観光鍾乳洞「昇龍洞」の出口と駐車場を結ぶ観光道路600メートル区間に再生可能エネルギーで動く電気自動車の自動運転車両を設置し、運行を開始する計画だ。この自動運転車両と充電ガレージのデザインを、地元の沖永良部高校商業科3年生たちが手掛けた。 学生たちは総合学習の時間にヤマハ発動機の電気自動車をベースにして、どんな外装デザインがいいのかを議論を重ねてきた。鍾乳洞の現地調査をし、関係者とワークショップなども繰り返す中で、島民と観光客が分け隔てなく交流し、島の自然文化とも溶け合う「調和」というコンセプトを決定、外装に木材を使い、屋根はキャンプのテントのような解放感のあるデザインを描いた。移動手段に限らず、地域コミュニティーの活性化につなげることを目指したという。 3年生の中倉ほなつさんは「自分たちの意見や理想を詰め込んだ車両が実現していてすごいと思った。これが島を走ると想像するとワクワクする。島はバスが1時間に1本しか運行していないなど移動の課題は大きい。自動運転車両が走る島につながれば嬉しい」と話していた。