【都内は初】楽天、無人配送サービスを開始 自動配送ロボで近隣店舗の商品配送
楽天グループ(楽天)は11月6日、都内で自動配送ロボットによる小売店や飲食店の商品配送サービス「楽天無人配送」の提供を開始した。東京都中央区の晴海全域、月島、勝どきの一部(晴海周辺)のエリアで提供する。楽天として自動配送ロボットによる配送サービスを都内で提供するのは初めてだ。 【画像14点】自動配送ロボットによる無人配送サービスの様子 楽天の無人ソリューション事業部 ヴァイスジェネラルマネージャー 牛嶋裕之氏は、「『楽天市場』などECが拡大し、フードデリバリーなど新しいサービスが普及する中で、日本は人口減少社会なので運び手が不足している。当社はこの自動配送ロボットを活用し、デリバリーサービスをもっと普及させ、人々の生活をより便利にしていきたいと考えている」と無人配送サービスに取り組む意義を説明した。 楽天はこれまで、2021年3月に国内で初めて自動配送ロボットの公道走行によるスーパーマーケットからの配送サービスを実施し、2022年11月からは期間を限定しない定常サービスをつくば駅周辺にて展開してきた(現在は終了)。これまで蓄積してきたノウハウを活用し、経済産業省の令和5年度補正予算「物流効率化に向けた先進的な実証事業」における「自動配送ロボット導入促進実証事業」による補助を受けて、今回の晴海周辺でのサービス提供に至った。 昨年4月に改正道路交通法が施行され、自動配送ロボットが遠隔操作型小型車という新しいカテゴリーに割り当てられ、公道を走行することができるようになった。ロボットデリバリー協会の安全基準に合格し、合格証とともにそのロボットを使用する旨を、地域の警察署に届け出ることで、ロボットの公道走行が可能になる。 <3店舗の5300品超をロボット配送> 今回のサービスは、スマホ向けの専用サイトから注文することで、自動配送ロボットが指定の場所まで配送するというもの。年末年始などの一部を除く毎日営業しており、配達時間は10:00~21:00。雨天時も営業するという。 1回当たりの配送料は税込100円(商品代は除く)としている。支払い方法はクレジットカード、「楽天ポイント」、「楽天キャッシュ」の3通り。 対象店舗は「スターバックス コーヒー 晴海 トリトンスクエア店」「スーパーマーケット文化堂 月島店」「吉野家 晴海 トリトンスクエア店」の3店舗。温かい料理や冷たい飲み物、生鮮・冷凍食品、日用品など5300品以上の商品を取りそろえている。今後、対象店舗や品目は順次拡大する予定だ。 配達場所は晴海1丁目~5丁目と月島2丁目、4丁目の一部と勝どき2丁目の一部におけるマンションやオフィス、公園などの62カ所が対象となる。在宅時に加えて仕事の合間、外出時などでも利用可能だという。 牛嶋氏は「今年8月にテストサービスを実施していた。走行の安全性に問題はなく、利用者からは『商品が早く欲しいときに便利』『ペット連れてスーパー行けないので利用した』『ロボット配送の体験が楽しい』『ロボットに愛着や親しみが湧いた』などのお声をいただいた」と話す。