類鼻疽、台湾で3人死亡 台風3号以降に感染者増 19年ぶりの高水準
(台北中央社)衛生福利部(保健省)疾病管制署は13日、細菌感染症の類鼻疽(るいびそ)で、50代から80代までの男女3人が先週死亡したと発表した。先月下旬の台風3号直撃以降、感染者が増加しており、先週(4日~10日)の新規感染者は19人となった。同署によれば、1~8月の累計感染者数としては、近年で最多だった2005年以来19年ぶりの高水準となっている。 類鼻疽は類鼻疽菌の感染によって引き起こされる。同署の羅一鈞(らいっきん)報道官によれば、類鼻疽菌は土壌や池、水たまりに存在し、主に皮膚の傷口が汚染された土壌や汚水にさらされることで感染する。台風の強風や大雨によって土壌中や汚水中の細菌が地面に出てきたことで広がりやすくなった。その場合は細菌を吸い込むことによる感染が多いという。 今年1月以降の累計感染者は37人に上っており、このうち30人は台風3号襲来以降に感染が確認された。台風3号以降の感染者を居住地別にみると、南部・高雄市が23人と最も多く、続いて南部・台南市が4人、中部・台中市が2人、南部・嘉義県が1人となっている。 羅氏は、過去の感染例は単一地域に集中する傾向にあったと説明。報告の動向から、感染のピークは過ぎたとみられるとしつつも、累計感染者数が2005年の水準を超える可能性も排除しないとの見方を示した。 類鼻疽の潜伏期間は通常2週間から4週間とされるが、数時間で発症することもある。症状は個人差が大きく、発熱や胸の痛み、せきなどの症状がよく見られる。同署は、糖尿病などの慢性疾患を抱える人は重症化のリスクが高いとし、これらの症状が現れた場合には迅速に医療機関を受診するよう呼びかけた。 (陳婕翎/編集:名切千絵)