2014年を振り返る ── 故人を偲ぶ。高倉健さん、宇津井健さん、蟹江敬三さんら
各界に貢献した多くの著名人らが活躍するなか、昨年惜しまれつつもこの世を去った方たちを偲ぶ。その時代を象徴する、思い出深い故人の作品や背景を思い出しながら、振り返ってみてほしい。
高倉健さん。ブラック・レインで海外からも注目
高倉健(Ken Takakura、本名・小田 剛一)さんは、悪性リンパ腫のため、11月10日に死去した。享年83歳。東映の任侠映画シリーズや『幸福の黄色いハンカチ(The Yellow Handkerchief)』など数多くの映画で主演を務めた。 『鉄道員(ぽっぽや、Poppoya)』(1999年)の年老いた駅長役では、モントリオール世界映画祭(Montreal World Film Festival)最優秀男優賞を受賞。また、マイケル・ダグラス(Michael Douglas)やアンディ・ガルシア(Andy Garcia)と共演したリドリー・スコット(Ridley Scott)監督のハリウッド映画『ブラック・レイン(Black Rain)』での警部補役などで海外からも注目を浴び、その死は複数の海外メディアで報じられた。
幅広い演技で注目された蟹江敬三さん(享年69歳)
2013年にヒットしたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で、主人公アキ(能年玲奈)の祖父・忠兵衛役を演じた蟹江敬三(Keizo Kanie)さんが胃がんで亡くなったのは3月30日。 ドラマ「熱中時代」「鬼平犯科帳」「おとり捜査官・北見志穂」シリーズや、NHK大河ドラマ「龍馬伝」など幅広い演技で注目を集めた。テレビ東京「ガイアの夜明け」では放送開始当初からナレーションを務めていた。 ■土井たか子さん(享年85歳) 元社会民主党党首で女性初の衆議院議長も務めた土井たか子(Takako Doi、本名・土井 多賀子)さんは、9月20日に肺炎で死去した。 1969年の衆院選で社会党(当時)から初当選。89年の消費税導入などが争点となった参議院選挙では、与野党逆転を実現し、「マドンナ旋風」を巻き起こした。また、自民党を過半数割れに追い込んだことを「山が動いた」と表現し、当時の流行語となった。93年の細川内閣発足時には、衆参通じ女性初の衆議院議長に就任。その後96年に社民党党首になったが、2003年の衆議院選挙で惨敗し、責任を取って党首を辞任した。