道後最大の温泉旅館で“動く広告塔”として50年…型破りなホテルマン、引退の日
一方で、経営者としてホテルの売上にも日々向き合います。 取り出したのは、手書きの予約一覧表。週末を中心に、日別で空室の数を記入し、全従業員に配布しています。 河内会長: 「メールってメッセージが伝わりにくく思いません?油性マジックで、カラフルに」
“アナログ”だからこそ熱意が伝わる、河内さん流のやり方です。この手作りの予約表にバツばかりが付いた時期がありました。2020年、新型コロナの感染拡大です。 河内社長: 「私どもでGWは概ね、1日1300万円ぐらい売るんですよ。それがゼロですからね」 この時、館内では、老朽化していた大浴場の改修工事の真っ只中。進む改修工事…いつまで続くか分からないコロナの影響に…いつもだと強気な河内さんも… 河内社長: 「本当に恐怖心、将来の見通しが全く立ちません」 それでも多くの人に笑顔になってほしい、ホテルとして何ができるか向き合い続けました。
河内会長: 「この配置でいいですかね?子どもたちだから、もう少し近いほうがいいかもしれないね。“まくら投げ大会”でありますね。密にならないように会場を広くして子どもたちが温泉旅館の一夜を思い出作りに役立てようと」 Q.旅館公認の? 「そうです、そうです。だって校長先生が賛成くださいましたし」
今年、道後の宿泊客数もコロナ前の同じ水準にまで回復。インバウンド需要も大きく伸びています。 河内会長: Qこの4年間振り返って 「本当に飛躍的に回復して反転攻勢頑張って、道後のブランド力が高まり、総合力が高まって『にっぽんの温泉100選』で第3位ですからね」
引退を4日後に控えたこの日、河内さんは市長時代から20年以上の付き合いという中村知事に退職の挨拶へ。 中村知事:「これちゃんと(スーツを)着たまま入っている?」 河内会長:「これ染みているでしょ」 国内外へ“道後ブランド”をともに発信してきたといいます。