「韓国の国民は知恵がある」 X使用の初の駐韓中国大使・戴兵氏
最近赴任した戴兵新任駐韓中国大使が過去の大使とは違い、ソーシャルメディアを通じて活発に立場を表しながら韓国国民と意思疎通する新しい公共外交を見せている。こうした中、中国外務省は北朝鮮の武力挑発に対して以前とは微妙に異なるニュアンスを見せた。弾劾政局で不確実性が高まった韓国を中国が引き寄せようとする姿であり、意図が注目される。 先月27日に赴任した戴大使はソーシャルメディアX(旧ツイッター)を通じて約10日間に▼赴任直後の書面演説(先月27日)▼チェジュ航空旅客機事故の哀悼(先月29日)▼崔相穆(チェ・サンモク)大統領権限代行の信任状捧呈式(7日)の3件のメッセージを伝えた。戴大使は7日のメッセージで「中国と韓国の戦略的協力パートナーシップ関係を発展させようという中国側の努力は確固不動」と強調した。続いて国内政治状況については「現情勢下で韓国国民は国内問題を適切に処理する知恵と能力があると確信し、韓国の安定、発展、繁栄を心より祈願する」と明らかにした。 在韓中国大使館によると、大使館はフェイスブック、インスタグラム、WeChatなどソーシャルメディアを使用するが、大使がXを意思疎通の主な窓口とするのは今回が初めてだ。大使館の関係者はこの日、中央日報に「韓国との関係を強化し、立場を迅速に伝えるため、戴大使の赴任後にXでの活動を始めた」とし「フォロワー数が増えることを希望する」と積極性を表した。 昨年11月中旬に内定が伝えられた戴大使が年を越さず予定通りに韓国に赴任したこと自体が韓中関係に青信号という解釈もある。一部では昨年10月に駐中韓国大使に内定した金大棋(キム・デギ)元大統領秘書室長の任命手続きが弾劾政局などで中断したため、中国も駐韓大使の赴任を遅らせる可能性があるという見方があったからだ。 弾劾で内部混乱を経て首脳外交が停止した韓国を中国がむしろ引き寄せようとするという分析が出る理由だ。これは近く発足する米国のトランプ新政権が対中強硬政策を予告したのと無関係でないとみられる。中国としては米国の核心同盟である韓国と関係を円満に維持してこそ戦略的利益があると計算したと解釈される。 また、中国の習近平国家主席が過去10年間欠かさずに出席しているアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が今年11月に韓国で開催される点も、両国間の協力を追求する要因の一つに挙げられる。来年は中国が議長国となる。