「心が満たされる作品を」“まちのお花屋さん”60歳職人に「信州の名工」 フラワーデザインを始めて40年余り
卓越した技能を持つ職人などを称える「信州の名工」に2024年度、12人が選ばれました。このうち長野市松代町で生花店を営む男性はフラワーデザイナーの職種で選ばれました。「心が満たされる作品を作り続けたい」と話しています。 【動画で見る】「心が満たされる作品を」“まちのお花屋さん”60歳職人に「信州の名工」 フラワーデザインを始めて40年余り
長野市松代町の生花店「花職人 しまだ」。「街の花屋」さんです。 コスモスを生けているのは、社長の島田俊仁さん(63)近くの和菓子店に飾る花を手がけていました。 島田俊仁さん: 「秋のすがすがしさ、透き通る秋の空、空気感のある」 和菓子店に飾る花は季節感を大事にしながら36年間、毎週欠かさず作っています。 島田さんがフラワーデザインを始めてから40年余り。今年、卓越した技能を持つ職人を称える「信州の名工」に選ばれました。 島田俊仁さん: 「私なんかで通るのかなという気持ちもあったので通ってありがたかった」
島田さんは農業大学卒業後、生花店を営んでいた父親が体調不良となったこともあり家業を継ぎました。花の装飾はそこから学び始めましたが、大学で身に付けた造園技術も生かしながら独特の作品を作り、これまで数々のコンテストで表彰されてきました。 島田俊仁さん: 「自然の度合い、100%自然を再現できるわけじゃないし、だけど造形的な中で自然をどこまで表現するか、度合いの強弱をつけていくというのが自分らしさなのかなと」
冠婚葬祭や店のディスプレイなどさまざまなシチュエーションで飾る花。 何より心がけているのが。 島田俊仁さん: 「(見た人の)気持ちが満腹になればいいかな。そのためには心に訴えかけるような花であればいいなと思っている。うれしいときにはハッピーな気持ちになる。どなたかが亡くなった時には心がさみしくなる中で慰めになるような、そんなことを考えている」 「町の花屋さん」を引き継いで40年余り。今は、周りの商店も含め厳しい状況が続いています。 島田俊仁さん: 「(松代町の商店街は)今は本当に歯抜けの状態です」 さらに、現在は物価高。花の売り上げは減少傾向です。ただ、島田さんは今の時代だからこそ心を潤す「花」が必要だと感じています。 島田俊仁さん: 「花ってどうしても必要なものじゃないから今の物価高の中で後回しにされるものではある。小さい子どもたちに花に触れる機会を設けてもらって、花が好きになる子どもが増えれば、お花をたしなむ方が増えれば、そういう一助ができたらうれしい」
長野放送