ぷらっとフォームとINTMAX、RWAトークンの商用化に向け提携
ぷらっとフォームとINTMAXがRWAトークンの商用化に向け提携
ぷらっとホームとINTMAX(イントマックス)開発のRyodan Systems(リョダンシステムズ)が、「RWA(Real World Assets:現実資産)」のトークン化においての戦略的パートナーシップを7月30日発表した。 このパートナーシップは、ぷらっとホーム開発のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)やThings(モノ)を含む広範な非金融領域の物理アセット(RWA)をトークン化する技術「ThingsToken」と、INTMAX開発のEthereum(イーサリアム)のレイヤー2技術「Plasma Free」を組み合わせ、近年著しい伸びを見せる金融分野でのRWAの対象を、モノや様々なアセットを含む非金融の資産へ大幅に拡大するとのこと。 これにあたり両社は、IoTをはじめとしたデバイス、そしてありとあらゆるモノ(Things)をトークナイズするプラットフォームをイーサリアムエコシステム上のPlasma(プラズマ)環境の上に構築するという。 そしてその結果、原理的にはOT(Operational Technology)やIT(Information Technology)で管理される3兆個ともいわれる地球上のモノをブロックチェーンの金融テクノロジーに統合し、金融資産に限らないあらゆる現実世界の資産(RWA)をWeb3エコシステムから取り扱えるようになると述べられている。 ぷらっとホーム開発の「ThingsToken」はNFTの一種とのこと。同技術は、2023年度の日本の農林水産省採択の実証プロジェクト事業において、コンソーシアム型のブロックチェーンを用いたモデルシステムとして実証投入されたという。なおモデル実証プロジェクトでは、日立ソリューションズや三井住友海上火災保険、三菱倉庫、日本ガイシをはじめとする日本を代表するIT・流通関係企業が参加し、「ThingsToken」を利用した輸出物流のサプライチェーンネットワークでの輸出製品の個品単位での識別とトレーサビリティの検証を実施したとのこと。 今回の提携で「ThingsToken」は、INTMAXのPlasma技術を使うことで、スケーラビリティとともに、トランザクションの大幅な低コスト化と、モノ(Things)とIoTに必要とされるプライバシーについてのソリューション提供が可能なるという。 そして両社は、Web3の普及による新しい資産記述方法を示すインターネットの構成要素の一つとして、「ThingsToken」 および「Plasma Free」の開発・展開を行う予定とのことだ。 なお発表では、「本領域においては、ITやIoTの非金融領域のみならず、現在急速な拡大が始まりつつあるFinTechや金融領域のRWAとのクロスオーバしたユースケースが想定されることから、実装や適応においては、各国・各種の法律・業界ルールへの準拠の上でその協業を進める予定」と付け加えられている。 「INTMAX」を開発するRyodan Systems(リョダンシステムズ)は今年2月、Ethereum(イーサリアム)のスケーリングソリューションであるPlasmaとRollups(ロールアップ)のハイブリッドなブロックチェーン「Plasma Next(プラズマネクスト)」のメインネットアルファ版をローンチしている。 なおPlasmaは、2017年にEthereum(イーサリアム)創設者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏とLightning Network(ライトニングネットワーク)を提案したジョセフ・プーン(Joseph Poon)氏によって構想された、イーサリアムのレイヤー2のスケーリングソリューション。 またロールアップは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリングソリューションだ。 なおリョダンシステムズは「Plasma Next」の他、生体認証やMPC、FHEなどの最新の暗号技術を搭載したウォレット「INTMAX Wallet」を手掛けている。同社のCo-Founderは、日本人起業家の日置玲於奈氏および藤本真衣氏である。
大津賀新也(幻冬舎 あたらしい経済)