2次R進出の最強侍Jに球界大御所「指揮官が統率すれば負ける要素がない」
広岡氏が日本のメンバーの中で特に評価したのが、4番の筒香嘉智(横浜DeNA)と二塁を守る菊池涼介(広島)の2人だ。 「筒香と菊池は、よく調整をしてきた。菊池は広島で鍛えられ、昨年優勝したチームのセンターラインを固めている選手だけあって、守備範囲、安定感も抜群だ。ただし、世界一の守備だとか言っている人もいるようだが、それは違う。中南米系の選手のセンスやバネ、肩だけでなくスナップの強さで上には上がいる。筒香は、先の先まで考えて野球をやっていることが打席から伝わってくる。彼はWBCを終えて、2冠を獲得した昨年以上に、今年もいいシーズンを送るだろう」 筒香は初戦のキューバ戦で先制タイムリーに駄目押しの2ラン。第2戦の豪州戦でも勝負を決める2試合連続の3ランを放った。また菊池は、キューバ戦の初回のピンチをスーパープレーで併殺に打ち取り、先発、石川歩を救った。9回にも好守で投手陣をもり立てて、試合後、小久保監督が勝因に、その菊池の守備を挙げた。 「ピッチャーも日本は先発、中継ぎと質が高いが、まだ力を発揮しきれていないように思える。問題は小久保と権藤の意思疎通だろう。それと一、三塁や、二、三塁の確実に得点しなければならないケースで点が取れていない。後々、こういうミスが響いてくる。そういう部分が私の言うベンチの統率力。2次ラウンドは、突破する前提で、先の話をするが、決勝トーナメントに出てくるアメリカ、ドミニカ、プエルトリコ、ベネズエラは、この時期ならメジャーのオープン戦の気分で試合をするだろうし、盛り上がりは、日本と違うからプレッシャーもない。ルールもアメリカ有利になっている。私は、この時期に開催する大会を世界一を決める大会とは呼べず、時期を変えるべきだという意見なのだが。準備と総合的な投手力では日本は勝っている。繰り返すが、優勝しなければ意味がありません」 今大会からメジャーの大物投手がチームに合流できるようにラウンド毎に選手入れ替えのできる予備登録制度が導入された。日本は、その制度を使わない。アメリカ向きのルール変更。広岡氏が掲げたハードルは高いが、それくらいの意気込みで、まずは2次ラウンドを突破してもらいたい。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)