名スカウトが選ぶ甲子園「特A」は大阪桐蔭の藤原恭大で「阪神糸井以上」
いよいよ4強が出揃って夏の甲子園、第100回記念大会はクライマックスを迎える。ネット裏に陣取ったスカウトの仕事は、ほぼ終了。大阪桐蔭、金足農というドラフト上位候補を抱えているチームが残っているためマークしているスカウトは残るが、ほとんどのチームは、最終チェックを終えている。ヤクルトのスカウト責任者時代に、池山隆寛、石井一久ら高卒逸材を発掘してきた片岡宏雄氏に、プロ目線で、今大会を通じて目についたドラフト候補をリストアップしてもらった。 「いわゆるドラフト1位候補となるA評価は4人だ」 片岡氏がA評価をつけたのは、4試合連続で2桁奪三振の金足農のエース、吉田輝星、アベックアーチを2試合で記録した大阪桐蔭の藤原恭大、根尾昴のコンビ。そして報徳学園の「1番・ショート」小園海斗の4人だ。 「その中でも今大会ナンバーワンに推したいのは大阪桐蔭の藤原。雰囲気がある。ソフトバンクの柳田二世とも呼ばれているらしいが、重なるイメージは阪神の糸井。肩があり足があり一発もある。トリプルスリーを狙えるタイプ。糸井は高校時代から見ていたが、高校時代の2人を比べると藤原のスケールが上だ。打撃に関してはスイングが速くバットの出が安定している。逆方向にも大きいのが打てるのがいい。たいていの打者が苦手とするインサイドも苦にしない。リストアップした浦和学院の渡辺からインサイドのボールを引っ張ってライトスタンドに叩き込んだが、プロでも対応するのは難しいようなボールだった」 「特A」としたのが春夏連覇を狙う大阪桐蔭の「4番・センター」に座る藤原。ここまで4試合で打率.444、3本塁打、9打点。準々決勝で、浦和学院のエース、渡辺勇太朗からライトスタンドに放り込んだ一発には驚いたという。50mを5秒7で走る俊足で2 盗塁も決めている。 根尾は投手として2試合に先発、13回を投げて防御率4. 15だが、打者としては打率.429、2本塁打、2打点と好調を維持している。 「根尾はやっぱりショートだね。投手としては、ここまでのように見える。身体能力が高く、打撃では、ゆったりとした間を作れる。大型ショートとして1位で消えるでしょう」 報徳学園のショートストップ、小園の評価は「A´」に少し落とした。2回戦の聖光学院戦で、3本の二塁打を放ち、存在感を示したが、3回戦の愛工大名電戦では3三振、準々決勝の済美戦でも3タコに終わり守備でのミスもあった。 「小園のスピードは素晴らしい。守備範囲は非常に広いし、センターに抜けておかしくない打球にも追いついていた。どこの球団もショートの人材は抑えておきたいので間違いなく上位で消えるだろうが、守りと足だけでは、プロでは限界がある。バッティングでタイミングが合わないとさっぱりという部分が少し気になった。西武の源田にしろ中日の京田にしろ打つからね。プロで2 、3年時間をかけて伸びシロを期待したい」