春の王者・帝京に城西大城西、日体大荏原、堀越などの伝統校が挑む

　春季都大会で本塁打9本という圧倒的な攻撃力で優勝した帝京は、優勝候補の筆頭だ。勢いをつけるには、堀越か都立城東との対戦が予想される4回戦の戦いが重要になる。昨夏二松学舎大附を破った堀越はこの夏、高校時代は日本代表監督の井端弘和と1、2番コンビを組んだOBの野口晃生監督が指揮を執る。2年前の夏に関東一を破っている都立城東は、北見 航太朗、松尾 颯祇が昨夏に続きバッテリーを組む。4回戦に勝てば東京実、実践学園などとの対戦が有力だが、帝京の優位は動かない。 　帝京が準々決勝で対戦するブロックは、やや激戦区。50年前の最初の東東京大会を制した城西大城西は、当時に近いユニホームに変し、名門復活を目指す。初戦は都立文京と目白研心の勝者との対戦が有力だ。都立文京は、1年生の夏から登板している水野 耀喜が最後の夏を迎える。目白研心は春季都大会の3回戦で関東一に2－4と善戦している。初戦屈指の好カードだ。このブロックには2年前の夏に準優勝している日体大荏原もいる。エースの吉田 健汰は1年生の夏から投げている。武器のナックルカーブに加え球威も増してきた。このブロック、どこが勝ち上がるにしても勢いをつけて帝京に挑みたいところだ。 　帝京が準決勝で対戦するブロックはシード校の東京、日大豊山に加え、昨夏優勝の共栄学園などもおり、混戦模様。日大豊山は初戦で都立紅葉川か巨人の阿部慎之助監督の母校である安田学園との対戦が有力だ。4回戦での対戦が予想される立正大立正または目黒日大も侮れない相手だ。 　この春2試合連続完封に加え、二松学舎大附を破り一躍注目されるようになった永見 光太郎擁する東京は、初戦は上野学園との対戦が有力だ。4回戦は好投手・林 京乃佑を擁する立教池袋との対戦が有力になる。そして5回戦は共栄学園との対戦が有力だ。共栄学園のエース田嶋 勇斗は、昨年の東東京大会決勝戦の先発や甲子園を経験して風格が出てきた。このブロックは投手を中心としてチームが多いだけに、コンディションの調整が勝敗の大きなカギになる。 東京、日大豊山がシードされているゾーンは絶対的な強者がいないだけに、勢いをつけて準決勝に進めば台風の目になる可能性がある。それに帝京がどう臨むのか。昨夏は第1シードながら5回戦で岩倉に敗れた帝京が、今年こそ第1シードから名門復活を果たすのか。関東一は修徳と、二松学舎大附は岩倉、明大中野などとの戦いが待っている。帝京が優勝争いの中心にいることは間違いないが、他校も力を付けてきており、厳しい戦いが予想される。