持病のある70歳独身男性です。家事をするのがつらいので「お手伝いさん」を雇おうと思うのですが、年金生活では厳しいでしょうか?
昨今の生鮮食品や日用品の値上がりは、年金生活を送る方たちの家計に大きな影響を与えています。そのような状況において、持病を持つ方のなかには、日常の家事も負担となり、サポートが必要な場合があります。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説 家事代行サービスで対応してくれる家事や料金相場と、年金生活を送る方の一般的な収入と支出を基に、年金生活のなかで「お手伝いさん」を雇うことは可能なのかを調査しました。
70歳の年金受給者はいくら払っていくら受け取っているか
総務省統計局と厚生労働省年金局がそれぞれ発表している家計調査と年金事業の概況から、年金生活を送る70歳独身男性の年金受給額と家計支出を紹介します。 ■70歳の独身者の生活費は毎月14万3139円 総務省統計局が毎年調査している「家計調査年報(家計収支編)2022年」によれば、いわゆる年金生活者に該当する65歳以上で無職・単身世帯の1カ月間の支出平均額は、14万3139円でした。 最も多い支出は「食料品」の3万7485円で、「その他の消費支出」を除くと次に大きな支出は「交通・通信費」が1万4625円、「教養娯楽費」が 1万4473円です。 ■70歳が受け取れる年金額は毎月19万8670円 厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、70歳の方が受け取れる平均年金月額は、厚生年金保険(第1号)が14万1350円、国民年金は5万7320円でした。 つまり、厚生年金保険(第1号)と国民年金を合わせると、1ヶ月に受け取れる年金額は平均19万8670円となります。
「お手伝いさん」として家事代行サービスで依頼できること
家事代行サービスとは、自宅の掃除・洗濯・料理などの家事全般を依頼できるサービスです。近年、働く世代を中心に認知度が上がっていますが、年金生活をしている方でも利用できる価格なのか、家事代行サービスの具体的な内容と料金相場について紹介します。 ■家事代行サービスに依頼可能な内容 家事代行サービスに依頼可能な具体的な内容は以下の通りです。 掃除:リビング、キッチン、バスルームなどの掃除 洗濯:洗濯物を干す、アイロン、収納 料理:調理、後片付け 買い物:日用品、食料品の買い出し その他:ゴミ出し、整理整頓、子どもの送迎 日常的な「家事」は基本的に家事代行サービスの対応範囲となります。ただしハウスクリーニングと異なり、エアコン内部の清掃など専門的な技術や知識が必要な内容は、一般的に家事代行サービスに含まれません。 ■家事代行サービスの料金相場 家事代行サービスを行う大手3社の料金を比較した結果、1回当たりの依頼時間は2時間以上が多く、1時間当たりの料金は4400円~6600円でした。基本的にスタッフは1人で、交通費を別途支払う設定です。会社によって男性世帯への訪問時は、スタッフの人数や作業時間が変わってくる場合もあるので確認してみてください。 1回だけ依頼するスポット料金と毎月隔週で利用するといった定期利用料金では、スポット料金のほうが高く設定されています。 また、依頼する地域によって料金設定が異なる会社や、初回限定料金でスポット利用よりも1時間当たりの料金が安いプランもあります。 ■家事代行の認知度、依頼したいと考えている人の割合 LINEリサーチが行った調査によれば、家事代行サービスの認知度は89%と高かった一方、過去に利用者経験がある人は約3%でした。 J-Net21が実施した「家事代行(2022年版)」のアンケートで、年齢・性別ごとに「今後の利用意向」について調査した結果、「どちらかと言えば利用したい」または「ぜひ利用したい」と回答した割合が最も多かったのは30代女性です。反対に「全く利用したくない」と回答した割合が50%以上と最も高かったのは30代男性でした。