自然吸気にこだわるフェラーリ V12のターボ化は「考えていない」 エモーショナルを重視
排気量を減らすときだけターボを使う
イタリアの自動車メーカーであるフェラーリは、新型12チリンドリに搭載している自然吸気V12エンジンについて、ターボチャージャーの導入は「考えていない」としている。 【写真】大排気量の自然吸気エンジン採用!最新フラッグシップ【フェラーリ12チリンドリを写真で見る】 (12枚) フェラーリは先代の812スーパーファストで使用されていた6.5L V12エンジンを発展させ、小排気量化やターボ化を必要とせず欧州の環境規制「ユーロ6e」に適合させた。排ガス低減のため、多額の投資を行ったと言われている。 販売やマーケティングの最高責任者を務めるエンリコ・ガリエラ氏は、次のように述べた。 「当分の間は、12チリンドリを世界中で販売し続けることが可能です」 「エンジンの性能を維持し、規制に準拠するために行った作業は驚くべきものです。おそらく、それがV12エンジンに投資し続けるメーカーが少ない理由の1つでしょう」 もし将来的にターボ化の必要に迫られた場合は、V12の搭載を見送るかもしれない。製品開発責任者であるジャンマリア・フルゲンツィ氏は取材に対し、次のように答えた。 「V12ターボは考えていません。V12は多くの理由から自然吸気を採用しています。エンジンの排気量を減らすときは、ターボチャージャーを使います」 「V12は自然です。低回転から最大回転までエモーション、サウンド、加速を生み出すものです。それがフェラーリの求める製品です」 フェラーリは現在、主要自動車メーカーの中で唯一、自然吸気でハイブリッド化されていないV12エンジンを量産しているメーカーである。アストン マーティンは同等のエンジンにツインターボを採用し、ランボルギーニはハイブリッドとして販売している。ゴードン・マレー・オートモーティブの新型ハイパーカーT50は自然吸気V12を使用しているが、わずか100台の限定生産だ。 フェラーリが今後、どのようなモデルにV12を搭載するかは明らかにされていないが、プロサングエに導入される可能性はある。
フェリックス・ペイジ(執筆) 林汰久也(翻訳)