虎のソナタ 6・25は「サザン」「天覧試合」の日 そして年1度の倉敷、電波も打線もつながらない
(セ・リーグ、阪神0-1中日、10回戦、阪神6勝3敗1分、25日、倉敷)6月25日は何の日? きのうのきょうという話なら、『サザンの日』だろう。国民的バンド、サザンオールスターズが、1978年6月25日に「勝手にシンドバッド」でデビューしたことにちなんだ記念日だ。夏フェスからの勇退は残念だけど、9年ぶりのアルバム発売は待ち遠しい。 音楽好きなら、キング・オブ・ポップのマイケル・ジャクソンがこの世を去った日として刻まれているだろう。2009年のことだった。 野球ファンなら、1959年だ。65年前のこの日、日本プロ野球初の天覧試合が行われた。読売ジャイアンツ─大阪タイガース。後楽園球場での伝統の一戦だ。 両軍が点を取り合って4─4で迎えた九回、巨人・長嶋茂雄が左翼スタンドへサヨナラ本塁打を放ったのは、ミスター伝説の序章として今でも語り継がれている。 そして、劇的なアーチを浴びた村山実が「あれはファウル」と言い続けていたことも、そのミスタータイガースがグラブを後ろポケットに入れてベンチへ引き揚げたことも、阪神ファンには語り草になっている。 記憶にも、記録にも残る天覧試合の証人になってみたかった。だが、65年前のこと。岡田虎のことなら第1次政権時代からよく知っているベテラン虎番の三木建次でさえ、まだ生まれていないのだ。 そんな話をしていると「天覧競馬の現場ならいたことがありますよ」と手を挙げたヤツがいた。運動部デスクの川端亮平だ。2023年3月までレース部で中央競馬担当を務め、12年10月28日の天皇賞・秋での天覧競馬を取材していた。 「とにかく、当日朝、いや前日から競馬場の警備がものものしかった記憶が残っていますね」 それはそうだろう。万が一にも、何かあってはいけないからな。 「レースは、エイシンフラッシュが勝って、手綱を取ったミルコ・デムーロ騎手がウイニングラン後にターフ上で下馬して、右膝をついて天皇、皇后両陛下に最敬礼を行ったんです。イタリア出身の騎手の行動に大きな拍手が起こって、とてもいい光景でしたね」 そのシーンなら虎ソナも覚えている。それに、下馬したことが日本中央競馬会競馬施行規程違反で、審議対象になったんだよな。