子どもの記憶力が低下する悪い習慣「ながら勉強」の恐ろしさを開成番長が解説
こんにちは。開成番長こと、個別指導塾テスティー塾長の繁田和貴です。 先日、保護者の方から「娘が音楽を聴きながら宿題をしたほうがはかどると言うのですが、音楽を聞きながら勉強してもよいのでしょうか?」というご相談をいただきました。塾生の保護者さんからも「何度注意してもテレビを見ながら宿題をやるのは問題ないでしょうか」という相談を受けたことは数えきれないくらいあります。 今回はこうした「ながら勉強」の恐ろしさについてお話しようと思います。今回の内容はぜひ最後まで読んで、お子さんに教えてあげてくださいね。※繁田さんは開成中学・開成高校を経て、東京大学経済学部を卒業。開成在学時代には数々の逸話を残してきた通称「開成番長」。現在は、個別指導塾TESTEA(テスティー)の塾長として、開成・桜蔭・東大早慶をはじめとする最難関校に数多くの合格者を輩出している。 【グラフ】難関中学校合格者の小6冬の1日の勉強時間は?
「音楽を聴きながらやったほうがはかどる」は気のせい
結論から言ってしまうと、音楽を聴いたりテレビを見たりしながら勉強するのはNGです。なぜかというと、音楽を聴くことやテレビを見ることにワーキングメモリが持っていかれて、勉強の質が下がるからです。 具体的に挙げると、 作業が遅くなる作業のミスが増えるやった内容が記憶に残らなくなるといったことが起こります。 マルチタスクについてのある研究が示した数値では、シングルタスクに比べて作業時間が1.5倍になり、作業ミスも1.5倍に増えたそうです。「音楽を聴きながらやったほうがはかどる」というのは明らかに気のせいで、実際には「音楽を聴いて気を紛らわせているから時間が短く感じているだけ」なのです。 すでに塾で習っていて簡単に解ける問題や、もはや練習する必要がないのにやらされている学校の宿題など。質は問わず、終わらせることに意義があるという場合であれば、退屈な苦行の気を紛らわせるために音楽を聴きながら宿題をすることも、百歩譲ってアリかもしれません。 しかし、できるようになることが目的であるちゃんとした勉強であるならば、こうした「ながら勉強」は絶対にしてはいけません。ジャズやクラシックなどのBGMも、「聞こえてくる」けれども「気にならない」状態であればよいのですが、そうした音楽が好きで「聴き入ってしまう」ようだと、勉強や仕事の妨げになるので気をつけてください。