「薬漬けから抜け出すために必要なことは…」 薬を使わない薬剤師が明かす「薬の減らし方」
老化を受け入れるか、あらがうか
老化を自然現象として受け入れるのか、病気として捉えて徹底的にあらがうのか。それによって薬の服用数も変わってきます。老化を受け入れるのであれば、無駄に降圧剤などを飲み続ける必要もなくなるでしょう。 無論、どちらの道を選ぶかはそれぞれの判断です。薬をたくさん服用する自由もあれば、できる限り減薬に努める自由もある。その最終的な判断には、本来、医者も立ち入れないはずです。医者に処方されたから、言われるがままに薬を飲み続けるという姿勢が、最もポリファーマシーからの脱却を遠ざけているのです。 薬の服用の仕方はその人の人生観の表れである、と私は思うのです。 宇多川久美子(うだがわくみこ) 薬剤師。1959年生まれ。明治薬科大学卒業。総合病院に薬剤師として勤務していたものの、薬漬けの日本医療のあり方に疑問を感じ、白衣を脱いで「薬を使わない薬剤師」として執筆・講演活動などを始める。『薬は減らせる!』『断薬セラピー』『薬剤師は薬を飲まない』など多くの著書があり、累計発行部数は100万部を超える。 「週刊新潮」2024年11月21日号 掲載
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