物価高などが原因で「月8000円の生命保険料」の支払いが苦しいです…… 不安ですが、保険を解約するしかないのでしょうか?
生命保険の加入の優先順位
生命保険を見直す場合には、まず生命保険の加入の優先順位を確認しましょう。 先述のとおり、生命保険は「発生頻度が低いものの経済的損失が大きいリスク」に備える手段なので、生命保険の優先順位は次のようになります。 1. 死亡保険 2. 医療保険 3. 老後に備える保険 また、死亡保険や医療保険のなかでも、家族の生活を支えている人(収入が大きい人)の保障が優先されます。
加入している生命保険の見直し手順
生命保険を見直す際には、加入している生命保険の種類や加入内容を確認しましょう。 例えば、本記事のタイトルにあるケースでは「保険料が月8000円」とありますが、死亡保険なのか医療保険なのか、それとも個人年金保険なのか、保険料の種類や内訳で対応が異なってきます。死亡保険の場合でも、貯蓄性のある終身保険と、掛け捨てタイプの定期保険や収入保障保険とでは、同じ保険金額でも毎月の保険料は異なりますので、内容の確認は重要です。 次に、加入している生命保険の必要性を確認しましょう。 例えば死亡保険であれば、亡くなった場合に受け取れる遺族年金の金額を確認して、毎月の生活費など支出において不足する金額を、生命保険で準備することになります。 保障額の例として、遺族年金が月10万円(年120万円)受け取れ、支出が月20万円ある家庭のケースを想定します。この場合、不足する月10万円が、生命保険で備えたい金額になります。 今後20年分を備えておきたいとすると、保障額は2400万円(月10万円×12月×20年)が目安となります。実際には、住宅の維持費や教育費など、各家庭に応じた支出も考慮する必要があります。 現在加入している保険の保険金額が必要な保障額より多い場合は、加入内容を見直して保険料を減らすことができます。 例えば「病気やけがへの備えは、公的医療保険で十分対応できる」と考えられる場合は、医療保険は不要と考えて解約することで、保険料を減らすこともできます。さらに、生命保険の見直しの方法も解約だけではなく、「減額」や「払済」というものがあります。 「減額」は保障額を減額することであり、それに合わせて保険料も減少します。「払済」は保険料の払込を中止して、その時点の解約返戻金をもとに、保障額の少ない保険に変更する方法であり、終身保険などの貯蓄性のある保険で利用できます。 そのほかに、保険料を減らす方法として、生命保険のタイプを変えられる場合があります。終身保険などの貯蓄タイプの保険は、貯蓄部分があるために、定期保険などの掛け捨てタイプの保険に対して保険料が高くなります。保険期間が短くなったり、解約返戻金は原則受け取れなくなったりするものの、このように保険の種類を変えることで、保障額はそのまま、保険料を減らすことが可能です。 これまで紹介したような保険タイプの変更、減額したり払済にしたりした場合の保障額や保険料については、加入している保険を運営している会社に確認してください。