開幕まで半年となった大阪・関西万博。会場建設や運営の準備は進んでいるのか。参加国でつくる運営委員会委員長のマヌエル・サルクリ・スイス政府代表（59）と、日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長（73）に聞いた。

複雑な入場システムに懸念…マヌエル・サルクリ運営委員長

（スイス政府提供）

　――開幕まで半年だ

　わくわくする気持ちが大きくなっている。スタッフの雇用を終え、協力企業も見つけることができた。イベントの準備やパビリオンの警備、清掃など、色々なことを考えなくてはならない。とても忙しい。

　――楽しみにしていることは

　リング（大屋根）だ。視察で上がった時、「これは万博のシンボルになる」と直感した。（閉幕後も）解体だけに終わらせず、（再利用という）セカンドライフを用意してほしい。

　――参加国の準備状況をどう見ているか

　日頃から進捗（しんちょく）を報告し合っているが、今は建設に関して問題を訴える声は届いていない。これはグッドニュースだ。議論は建設から運営の話に変わってきた。

　――懸念する点は

　パビリオンの招待客やイベントに出演するゲストたちがどのように会場に入るかが議論になっている。現状の来場予約システムは複雑だ。入場券を購入したら、どの時間帯に入場するのか決める必要がある。（万博協会が）夢洲までの公共交通をコントロールするためだが、希望する時間に入場できるかはわからない。 （聞き手・石見江莉加）

　 マヌエル・サルチリ 　スイスの国際的なイメージ戦略を練る公的機関「プレゼンス・スイス」で国際イベントを担当。2005年の愛知万博以降、8回の万博に携わる。

分断の時代、人と人つなぐ…石毛博行万博協会事務総長

万博協会の石毛博行事務総長（9日、大阪市住之江区で）＝前田尚紀撮影

　――遅れが指摘されている海外パビリオンの状況は

　参加国が自前で建設する「タイプA」47か国は遅くとも11月には、全て着工するだろう。最終的に開幕日に間に合うスケジュールを立てているので心配していない。

　――大型の重機を入れる工事は10月中旬までという期限は守られるか

　あくまで目安だ。工区全体を受け持つゼネコンとも連絡を取りながら、パビリオンごとにどういう機械をどう入れていくか調整する。