Apple「マッキントッシュ」発売から40年。開発の難局を乗り越えるきっかけとなったジョブズの言葉
Appleファン、歴史ファン、あるいはスティーブ・ジョブズのファンであればもうご存じかもしれませんが、今年は大きな記念すべき年。ジョブズがAppleの画期的なコンピュータ「マッキントッシュ」を世に送り出してから40年なのです。 発売された当時のことは、その象徴的なテレビ広告「1984」や、失われていたもののその後復元されたジョブズのプレゼンテーションで思い出す人も多いでしょう (この記事の末尾に動画を載せています)。 しかし、覚えておきたいすばらしい記念日がもう1つあります。
マッキントッシュ発売の裏側
それは、1984年1月上旬、マッキントッシュの出荷予定まで1週間を切ったころにジョブズが受けた危機的な通告に関するものです。 マッキントッシュのリードプログラマーたちは「どうやっても納期に間に合わない」と悟ったのです。彼らはあと2週間必要だと決断しました。 問題よりも解決策を提示するようなタイプの人たちだったため、ジョブズに時間的余裕のなさを伝え、第一弾のマッキントッシュには、あとですぐにアップデート可能なマッキントッシュのコードの縮小デモ版を付けて出荷することを提案しました。
不可能を可能にさせたジョブズの言葉
ウォルター・アイザックソンは、2011年に出版した伝記『スティーブ・ジョブズ』の中で、そのあとに起こったことを書いています。振り返ってみると、それはジョブズらしいことであり、すばらしい出来事でもありました。 当時ニューヨークにいたジョブズは、日曜日の電話会議で開発者たちと話す機会を設けました。そして開発者の話を最後まで聞いたあと、あっさりと「ノー」と言ったのです。アイザックソンはこう書いています。 間があった。ジョブズは怒ることなく、冷たく深刻な口調で話した。「君たちは本当に有能だ。有能であればこそ、君たちならできると確信している」と。 「遅れるわけにはいかない」とジョブズは宣言した。その場の全員が息をのんだ… そして、ジョブズは次の三文を続けざまに言いました。アップルの共同創業者であるジョブズのいわゆる「現実歪曲フィールド」の例をたくさん読んだり耳にしたりしたことがあれば、かなり簡単に指摘できる一言です。ジョブズは無愛想にこう言ったのです。 「君たちはもう何カ月もこれに取り組んできたのだから、あと2週間くらいあってもそんなに大きくは変わらない」 「終わらせたほうがいい」 「月曜日から1週間後に、君たちの名前付きでコードを発送しよう」