「古性優作は異次元!」 誰にも再現できない“競輪の天才”/記者の記憶に残る一戦
いよいよ19日、GI戦線のラストを飾る競輪祭が開幕する。このシリーズでグランプリの出場選手が決まり、競輪界は一気に締めくくりの12月に向けて“年末”の色を濃くしていく。今回は今年ここまでの激闘を振り返るべく、選手の声を直接取材し続け、2024年の激闘譜を“現場目線”で知る競輪記者たちの「記憶に残る一戦」についてお届けする。(企画・構成 netkeirin編集部)
10月20日・弥彦競輪「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」決勝(町田洋一記者)
毎日の様に現場で取材をし、選手と世間話を含めて話し、朝のモーニング、デイ、ナイター、ミッドと死ぬ程、車券を打っている日々。だけど、編集部から“今年の激闘譜”のお題を戴いたが、どのレースがベストか急には思い出せない。時系列もバラバラで、高松記念の決勝で慎太郎先生と東龍之介が競ったのが、今年なのか、あるいは去年なのか、それも調べないとハッキリしない。アオケイの長谷川編集長様とも話したが、デスク作業で、どのレースをピックアップすれば良いのか正直難しい。 この手のものは、大衆居酒屋でホッピーでも飲みながら、わいわいガヤガヤ騒ぎながらの方が、面白い企画が出てくる。基本、自分が取材に行っていないレースだと、想像になり、選手のニュアンスと違う可能性もあるので、自分が行った現場で考えた。例えば、小田原記念の決勝の“南関7車結束”のレースも書きたいが、残念ながら、現場にいる事はできなかった。今年も、どう考えても古性優作で始まり、古性優作で終わりそうな雰囲気。選手の地殻変動もないので、この時代は当分続く。お約束的になってしまうが、親王牌の決勝を取り上げる。
決勝並び
⑨寺崎浩平-⑤脇本雄太-①古性優作 ③新山響平-⑦渡部幸訓 ②郡司浩平-④小原太樹 ⑥河端朋之(単騎) ⑧佐々木悠葵(単騎) 一番人気は当然、寺崎のロケット作戦に乗るワッキーと古性。今は車番競輪で、突っ張りが主流。外枠は誘導のペースも早く、誘導の早期追い抜きのペナルティーが重たいから、7車でも9車でも同じ現象が起きている。あとは、競輪はドラマ仕立てになっているから、伏線もある。このレースでは古性が一番車だから、近畿の突っ張りは容易いと思うが、そうでもない。 2日目のローズカップで近畿は同じ並びだったが、眞杉匠の超絶テクニックで、突っ張りに失敗している。レース直後に、古性優作から突っ張りのテクニックを身振り手振りで寺崎浩平がアドバイスを受けているのが印象的だったので、この写真を掲載する。