ひとつの歴史を締めくくる、最後のNinja系エンジン車「ZRX1200DAEG」
ネイキッドバイクらしい、自由度の高いポジション
アップタイプのハンドルが採用されているため、基本的なライディングポジションでは上半身はリラックスしている。ステップの位置も自然に足を上げた位置にあり、全体的に自由度が高い。シート高は795mmでシートもしっかり厚みがあるが、170cm/65kgのモデルでも両足がしっかりと付くが、車重は246kgあるので取り回しには注意が必要だ。
最後にして究極のNinjaユニット搭載車
GPZ900R系エンジンは、1984年から2016年にZRX1200ダエグが生産中止になるまで、実に30年以上現役であり続けた。ボア×ストローク72.5×55.0mmの908ccから始まり、ZRX1200ダエグのボア×ストローク79.0×59.4mmの1,164ccまで排気量が拡大された。このいわゆる「Ninja系」エンジンの特筆すべきところは、排気量が変更になる際、ボアとストロークの両方を変更していたことであろう。これはZ1とZ2の時代からの伝統とも言え、バランスにこだわった実にカワサキらしいエンジンなのである。ダエグに搭載されたエンジンは、最大排気量であるとともに、Ninja系としては唯一フューエルインジェクション化された、最後にして究極の仕様であったと言えるだろう。
ZRX1200DAEG(2009)主要諸元
・全長×全幅×全高:2,150×770×1,150mm ・ホイールベース:1,470mm ・シート高:795mm ・車重:246kg ・エンジン:水冷4ストローク4気DSOHC4バルブ 1,164cc ・最高出力:81kW(110PS)/8,000rpm ・最大トルク:107N・m/6,000rpm ・燃料タンク容量:18L ・変速機:6段リターン ・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク ・タイヤ:F=120/70 ZR17、R=180/55 ZR17 ・価格:112万円(キャンディミスティックブルー/メタリックインペリアルレッド)(2009年) 114万円(パールメテオグレー×メタリックスパークブラック)(2009年)
後藤秀之