運転免許を返納しても「身分証明書問題」実は心配なし…意外に知られていない“免許返納のメリット”も
近年、高齢者による運転事故が社会問題化しており、そのたびに免許の返納が話題にのぼります。実際、逆光運転など高齢者による運転事故の割合は年々増えており、2023年度は全体の4分の1にあたる7万1000件ほどが65歳以上のものでした。 年を取ると、体力とともに認知能力などもどんどん低下していきます。個人差はありますが、65歳以上になると、反射神経や判断能力、視力など、運転に必要な身体機能の低下が顕著になるとされます。 運転経験が豊富で、運転技術に自信をもっている人でも、こうした身体機能の低下にはあらがえません。高齢者が事故を起こしやすいのは自然の摂理といえます。 親がいまだに運転していてが心配という人も多いと思いますが、運転免許証の返納を切り出しづらいと感じる人もいるでしょう。しかし、運転免許証を返納すると、自治体によっては特典を受けられることがあります。そこで、編集部が調べた特典を紹介します。 さらに運転ができなくなったあと、どのような移動手段を使えばいいのかを、最近、運転免許証を返納し、運転経歴証明書にされたという、NPO法人渋谷介護サポートセンター理事長の服部万里子先生に伺いました。 (この記事は、『おひとりさま[老後生活]安心便利帳』より一部を抜粋し、再編集しています)
運転免許証を身分証明書として使っている人はどうすればいい?
マイナンバーカードが普及した現在でも、運転免許証を身分証明書代わりに使っている人はまだ多くいます。そういう人にとっては、運転免許証の返納に抵抗があるかもしれません。 しかし、運転免許証を返納すると「運転経歴証明書」が交付されます。これは公的な本人確認書類として利用できるので、身分証明書の代わりとなります。 また、運転経歴証明書は一度取得すればずっと使い続けることができるので、運転免許証のように更新手続きに出向く必要もありません。ただし、運転経歴証明書の交付には1100円の手数料がかかります。 運転免許証を身分証明書代わりに使っている人も、これで安心して返納できるのではないでしょうか。