ハマスが受け入れた停戦案、イスラエルが拒否-ラファ作戦継続へ
(ブルームバーグ): イスラム組織ハマスは6日、パレスチナ自治区ガザの停戦交渉で仲介役のカタールとエジプトが提示した停戦案に合意したと表明したが、イスラエルの戦時内閣は「イスラエルが必要とする要求を満たすには程遠い」として、全会一致で合意内容を拒否。戦闘の即時停止への期待はついえた。
イスラエル政府は「ハマスに軍事的な圧力をかけるため、ラファでの作戦を継続する」と表明すると同時に、「受け入れ可能な条件の下で合意に達する可能性を模索するため」仲介役との協議の場に代表団を派遣するとも明らかにした。イスラエル軍はこれに続く発表で、ガザ南部のラファ地域でハマスの拠点を標的とした新たな空爆を実施したことを明らかにした。
ハマスはこれより数時間前にテレグラムに投稿した声明で、停戦案に最高指導者ハニヤ氏が同意したことを明らかにした。この直後には合意の詳細を巡る疑問が浮上し、米国とイスラエルはそれぞれ、ハマスの返答を精査していると発表した。
イスラエル戦時内閣メンバーのガンツ前国防相はテレグラムへの投稿で、ハマスの提案は「仲介役とこれまで行ってきた協議に対応しておらず、大きな隔たりがある」と述べた。ただ、イスラエルの代表団がカイロで交渉担当者らと協議するだろうと語った。
カタールとエジプトは、昨年10月7日のハマスによるイスラエル襲撃を受けて発生した戦争を終結させるため、仲介役となってカイロで停戦協議を進めている。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が事情に詳しい匿名の当局者2人を引用して報じたところでは、ハマスが受け入れ可能とした停戦案は、イスラエルと米国がハマスに提示した案の文言を若干変更したもので、最終的に「持続可能な平穏」の制定を求める内容だった。
仲介役が米中央情報局(CIA)のバーンズ長官と協議して、双方が受け入れ可能としていた文言に変更したという。同紙はまた、「持続可能な平穏」の定義を巡って衝突する可能性が高いと予想していると当局者らは語ったと伝えた。