「避難勧告」出たらどうする? 仙台では避難わずか1%未満
11日未明、宮城県全域に「大雨特別警報」が発令された。記録的な大雨は大崎市で大規模な浸水被害を引き起こすなど、県内で猛威をふるった。仙台市でも一部地域で避難指示が発令され、延べ約41万人に避難勧告が出た。 【図】「避難指示」と「避難勧告」 何が違う? 記者の住む仙台市内の地区も10日深夜に「避難勧告」が発令され、近くの避難所に避難したが、避難所に住民の姿は少なかった。災害が起きたとき、「避難すべきかどうか」をどのように判断すればいいのだろうか。
アクセス殺到で市のHPダウン
仙台市からの「避難準備情報」の緊急速報が携帯電話に届いたのは、10日午後9時50分過ぎ。緊急速報には、青葉区、太白区、泉区の一部で「避難の準備をしてください」と書かれていたが、詳しい地区名は「テレビ、ラジオ、仙台市ホームページ(HP)、杜の都防災Web、危機管理室Twitterでご確認ください」とされていたため、HPにアクセスが殺到。一時HPがダウンし、情報を見られない状態となった。 その後も「避難準備情報」の追加地域指定や「避難勧告」発令が、次々と携帯電話に届く。午前0時半ごろ、仙台市危機管理室のTwitterに掲載された情報で記者の住む地域が「避難勧告」の対象に追加されていたことを知り、最小限の荷物を持って避難所に指定された小学校の体育館へ避難した。
先に避難していたのはたった1人
この時点で仙台市の避難勧告発令時刻から約1時間が経っていたが、先に避難所に来ていたのはたった1人だった。それから少しずつ避難してくる住民が増え、午前1時半ごろまでには記者も含め避難者は13人になった。地域住民の中には、避難所を訪れて避難所の運営者に「避難するほどの土砂災害が差し迫っているとは思えないけど、避難しなくても大丈夫と思いながら多くの人が犠牲になった3.11の例もあり、迷っている」と、避難すべきかどうかを相談しに来る人の姿も見られた。 当初は数時間で解除されるのではないかと思っていた避難勧告だが、滝の中にいるかのような雨のごう音は朝まで止まなかった。避難者には非常用毛布と500ミリリットルの水が配られ、体育の授業に使う大きなマット1枚に大人4人で寝た。隣に寝ていた大学生の女性(21)は「自宅の目の前が山なので、不安に思い来ました。広島の土砂災害のことも考えると避難した方がいいと思ったのですが、思ったより人が避難していないですね」と話した。