語り始めた92歳の被爆者 パールハーバーへ 憎しみ乗り越えて 広島・平和公園との「姉妹公園協定」の地で被爆証言
才木さんは自らの被爆体験がどう受け止められるのか、不安も感じていました。 才木幹夫 さん(92) 「日本の中で話をするのと、戦いが始まったパールハーバーで話をするのとでは違うのではと思いますが、ありのままを話したいと思っています」 才木さんの被爆証言はパールハーバー国立記念公園の一角で行われました。 才木幹夫 さん(92) 「この道の両端に黒い物体がずらっと並んでおります。全てが死体でした」 原爆の悲惨さを訴えたあと、「恨みを乗り越え、身近なところから平和を作っていこう」と呼びかけました。 才木幹夫 さん(92) 「相手を攻める、攻撃するのではなく、理解するということの大切さ、そういう思いと行動が大切だと思います。国と国との意識がそういうふうになって変わっていかなければいけないんじゃないかと思うんです」 会場からの質問 「平和な世界は来ると思いますか?」 才木幹夫 さん 「来ると思わなければいけない」 講話の後は、握手を求める列ができていました。 ユタ州から 「被爆者の話を直接聞くことは重要です。アメリカは『原爆投下が戦争終結を早めた』というが、間違っていると分かりました」 テキサス州から 「原爆被害は衝撃的でした。被爆証言を聞けば、過去を乗り越え、わかり合えると思います」 被爆者 才木幹夫 さん(92) 「本当に心から温かくどこでも迎えていただいたということが印象的でした。質問で『恨んでいないか』ということをちょっと言った子がいるんですけれども、『そんなことはないよ』と」 公園内にあるアリゾナ記念館。真下には、日本軍の奇襲攻撃を受けた戦艦「アリゾナ」がいまも沈んだままです。 壁一面に刻まれた犠牲者の名前。亡くなった兵士たちを追悼しています。 才木幹夫 さん(92) 「本当に特別な感情でしたね。御霊を慰めて、安らかに眠ってくださいという気持ちで花を散らしました」 八幡照子 さん(87) 「本当に亡くなった方々になんか申し訳ない気がいたしました。やはり戦争をしては絶対いけないと思いました」