舌がん「完治」の堀ちえみさんが仕事復帰までの道のり語る―ネクストリボン2024
堀ちえみさん(歌手・タレント)
SNSの時代なので、皆さんの声が直接届く。手術が終わった後は「頑張れ」「よかった」という励ましのメッセージをたくさんいただいた。命は助かったけれど、先の人生をどう生きるか葛藤しているなかで、大きな励みになった。 一方で、日々の暮らしが戻ってきたころに「まだ生きているんだ」「がんになったのだからおとなしくしていろ」といった言葉が伝わってきて悲しい気持ちになった。ある時、ちょっとおしゃれをして髪を整え、顔色がよく見えるようにパールのピアスをして出かけたら「がん患者なのにピアスなんかして」と指摘された。主治医からは、移植する組織を摘出したため太ももが細くなったので、どんどん外出し、歩いて体力をつけるように言われていた。しかし、当時はがん患者はおしゃれをすべきではないし、外出もせず家でじっと療養しないといけないのかと、受け取ってしまった。 家族は、自分が当事者ではなくがんを経験したこともないので、私への発言や接し方でとても悩んだと思う。5年がたち「あの時、こんなふうに言ってはいけないのか」と言葉を選んでいたことを話してくれるようになった。 家族や周りの方に相談しても理解してもらいにくいときは、精神科を受診して話を聞いてもらった。気持ちがずいぶん楽になったので、時には専門家に相談する勇気も必要だと思う。 がんになった時、パートナーに「ごめん」と謝ったら「2人に1人はがんになるといわれているから、自分の時にはよろしく」と言われたことに救われた。がんはいつ誰がなってもおかしくない病気だと気持ちが楽になったことを覚えている。 ネクストリボン2024 主催:公益財団法人日本対がん協会、株式会社朝日新聞社 後援:厚生労働省、経済産業省 特別協賛:アフラック生命保険株式会社 協力:日本イーライリリー株式会社、大鵬薬品工業株式会社、株式会社ルネサンス 支援:株式会社メディカルノート
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