ホンダ50cc原付、来年5月の生産終了を「正式に公表した事実はない」って?! 代替の新原付はどうなる?……〈多事走論〉from Nom
車体の小さい「原付」を求める声も依然多い
もうひとつ、5月生産終了につながる事案があります。他の交通からの被視認性の向上のため、二輪車には昼間走行灯(DRL)および車幅灯、側方反射機を装着しなればいけないという決まりがあり、排気量50cc以下の原付も来年6月から対応することが求められています。 11月から販売できなくなるモデルに対し、この決まりに則った変更を加えるなんてありえない話。この新規制施行も、5月生産終了に信ぴょう性を与えています。 ただし、この規制については施行時期について国交省とまだ交渉中だとか、延長が可能になったなどという話もあるようです。 一方、新基準原付に関しても12月の発表以降、表立った動きはまったくありません。本サイトでお伝えしてきたように、①原付の定義を排気量から最高出力に変更する必要がある、②最高出力の測定方法を構築する必要がある、③出力を簡単にアップすることができないような構造にする、あるいは処置をする、④自動車税はどうするか(現行の原付は2000円/年、125cc以下は2400円/年)等々、決めなければいけないことはいろいろあって、関係する省庁も国土交通省、警察庁、総務省、そして経済産業省と多岐にわたるため、もろもろの調整に時間がかかっているようです。複数の関係者に聞いてみましたが、昨年12月に発表された以上のことは決まっていないし言えないとのことでした。 それよりも、新基準原付で原付免許/普通自動車免許で乗れるバイクが存続するのはいいことですが、110~125ccベースとなるとどうしても大きく重くなり、広い駐輪スペースも必要で、シート髙も高くなってしまいます。特に、小柄な女性やコンパクトなモデルが欲しい層から、何とか現状のサイズ感のままの原付を存続して欲しいと望む声が多いようです。
排ガス規制とは無関係な電動バイクでは代わりにならないかと思って(価格は置いておいて)、ホンダのタクトとEM1:eを比較してみると、全長1675/1795(前がタクトで後ろが、EM1:e。単位はmm、以下同)全幅670/680、全高1035/1080、軸距1180/1300、シート高705~720/740、車重78~79kg/92kgと、やはりタクトの方がコンパクトで軽い。現在ある電動バイクでは、原付の代替モデルにはなりそうもありません。 となると、やはり車両メーカーが現行のサイズで、新排ガス規制に対応する原付を作ってくれることを願わざるを得ません。新基準原付に至るまでの話をすべてひっくり返してしまうことになりますが、思いもよらない発想で作られ、新排ガス規制もクリアするコンパクトな原付。できないものでしょうか。 ──参考までに、左のクロスカブ110に対し右のクロスカブ50は車輪のサイズが17インチ(110)/14インチ(50)と異なり、シート高mo784mm(110)/740mm(50)と違いがある。50cc原付は小柄な方でも扱いやすいように配慮がなされていること、そして価格の面は誰もが気になるはずだ。 ●文:Nom(埜邑博道) ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。