「EU加盟の道、閉ざされる」 外国の代理人法案巡りジョージアに警告 首都の抗議デモ続く
欧州連合(EU)は15日、旧ソ連構成国ジョージアの議会が採択した「外国の代理人(スパイ)」法案について、EU加盟への道が閉ざされるとして撤回を呼びかけた。 首都トビリシでは同法案に反対する抗議デモが続き、市内の交通がマヒする事態に陥っている。 EUは声明で「EUの中核的規範と価値観に合致」せず、「この法案の採択は、ジョージアのEU加盟への道の進展に悪影響を及ぼす」とし、当局に撤回を促した。 同法案は、海外から20%以上の資金提供を受けている団体に対し、外国の代理人として登録することを義務付けるもの。この法案は厳しい情報開示の要件と、違反者に対して懲罰的な罰金を科すことを求めている。 反対派はロシアで過去10年ほど、同様の法律が言論弾圧に使用されていると指摘。「ロシアの法律」と呼んで反発している。 ジョージアの若者世代にとってこの法案は、ジョージアが欧州と統合するべきか、それともロシアとの古い絆を再構築すべきかが問われているという。 デモ参加者 「EUの誰もが、この法律は自分たちの原則に反している、自分たちの判断に反していると言っている。そしてこの法案を成立させないよう助言している。彼らは友人なのだから、我々は彼らの言うことに耳を傾けるべきだと思う」 ジョージアでは、EU加盟は広く支持されている。このところ同法案を巡り反欧米的な発言を繰り返しているものの、ジョージアの与党はEUとNATOへの加盟を希望するという。 EU首脳は昨年12月、ジョージアが政治的偏向の緩和など9つのステップを完了することを条件に、加盟候補国としての地位を与えることに合意した。ある外交関係者は、この法案は明らかにその目的に合致していないと述べた。 ジョージアの与党は、NGOに対する海外からの資金の透明性を確保するためにこの法律が必要だとしている。