中国軍が台湾周辺で演習 出漁取りやめる漁業関係者も 不安の声上がる
(高雄中央社)中国軍は23日、台湾周辺の海空域で軍事演習を開始したと発表した。漁業関係者の中には操業エリアが演習区域に含まれているとして出漁を取りやめる人も出るなど、不安の声が上がっている。 北東部・宜蘭県はえ縄漁業協会元総幹事の林新川氏は、現時点での影響は大きくないとしながらも、魚群数が増える10~11月に演習が行われる場合には漁業関係者の生計に大きな影響が出るとの懸念を示した。また中国は台湾を脅迫できないとした上で、お互いに妨害せず、安定して発展することを望むと話した。 北部・基隆の漁師は、中国の軍事演習について「われわれには阻止できない」と諦め顔。身の安全が心配だとし、事前に演習に関する情報を調べ、出漁時には演習区域を避けるしかないとため息をつく。両岸(台湾と中国)が平和的に付き合うことを願うとした。 南部・屏東県東港区漁会(漁協)の鄭鈺宸総幹事は中央社の電話取材に、現在はクロマグロとサクラエビのシーズンであるものの、操業エリアが演習区域に含まれているとし、一部の漁師が出漁を取りやめたと語った。 南部・高雄市旗津で約50年の経験を持つベテラン漁師も、現在は漁期で、はえ縄漁に支障が出ると指摘。漁師の生活に影響を与えないでほしいと願った。 (張已亷、王朝鈺、黄郁菁/編集:齊藤啓介)