進次郎は「中身がないイケメン」高市早苗は「関西なまりで庶民的」…テレビ局ADたちが見た「総裁選」舞台裏
ギラギラしたナルシスト軍団
候補者たちの車列が局に横付けされるとADが予め用意した入館カードを手に持ち、スタジオまで先導し、お茶を手際よく出していく。ある新人ADが「常に精力的な視線で、権力欲の強さを感じた」と話すのは茂木敏充幹事長のこと。別のADは「みんな元気だけれど、やはり近くでみたときは“高齢者感”をぬぐえない人が大半だった」という。石破茂元幹事長に関しては「あの独特な目つきでスローな話し方に“自己愛”を感じた」。スタジオにいたというADは小林鷹之前経済安保相に関して「コバホークと名乗っている人は背が想像よりもずっと高くて驚いたけど、頭が良くてイケてるだろうと自分で思っていることがひしひしと伝わってきた」、さらに総裁選候補者たちを「ギラギラしたナルシスト軍団だったな」と総括する。 政治家が普段話をしているのは後援会の高齢な支援者たちが多い。政治活動を支える人々は年々高齢化しており、後援会の中では政治家はイケてるアイドル的な存在でもある。だが、ADのような政治に関心が無い、20代の普通の若者の心に刺さる立ち居振る舞いをどうすれば会得できるのか、こうした言葉から再考頂きたい。
「守ってくれそうなオバサンだと感じた」
得てしてADには近寄りがたいと感じる候補者たちばかりのようだが、好印象を与えた数少ない候補者だったとの声が多く出たのは、高市早苗経済安保相。あるADは「なかなか迫力があって存在感が強い。それなのに明るい関西なまりで挨拶を返してくれるのでびっくりした。様子を見ていてもなんか守ってくれそうなオバサンだなぁと感じた」という。別の男性ADは「お茶目な笑顔で、庶民的で偉ぶらないのが好印象。一方で話し始めると熱い言葉も出てくる」と舞台裏のADたちを魅了したようだ。事実、一連の論戦を通じてぶれない保守姿勢で高市経済安保相の支持率は上昇しているという調査も多い。 よくも悪くも取材で名前が挙がった人はこれだけだった。あとの候補者は名前もあがらず、つまり若いADにはそもそも印象にのこらなかったということのようだ。これはあくまでも一部のADの主観であり印象でしかない。ただ、ADはスタジオで芸能人もスポーツ選手も成功してきたヒーローを数多く間近で見てきたことは間違いなく、その経験に基づく印象でもあるのだ。